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佐々木博一

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佐々木博一(ささきひろかず) / 墓石・終活カウンセラー

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コラム

変化?進化?する手元供養

2022年11月1日

コラムカテゴリ:冠婚葬祭

コラムキーワード: 終活 いつからお墓お墓参り

「手元供養」ご存知の方も多いのではないでしょうか?
既に手元供養をされている方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。

では、どのような方法(やり方)で手元供養をされているのでしょう。

家の仏壇の中などに置いている方、アクセサリーのような形で肌身離さず持ち歩いている方、供養する方法は、その人それぞれだと思います。

では、手元供養をあまり知らない方は、手元供養と言ったらどんな方法をイメージされるのでしょう。また、現在では手元供養は様々な方法がありますが、いつ頃から始まったのでしょうか?

実は、手元供養という言葉自体は比較的新しい言葉なのです。
2002年に京都の男性がお父様の供養のために、と始めたのが最初だと言われています。当時は、手元供養という概念がなかったため、遺骨を納めるアクセサリーなどもありませんでした。そこで、自ら焼き物でお地蔵様を作り、その中に遺骨を納め、手を合わせることで、お父様の供養をしたそうです。

だとすると、手元供養という言葉ができてから、まだ20年ほどしか経っていません。その20年の間に、多種多様に変化してきているのが、手元供養というわけですね。

では、最初の手元供養が焼き物(陶器)のお地蔵様の中に遺骨を納め、家に置いて手を合わせる物からどのように変化していったのでしょう。

順序は定かではありませんが、手元供養としてポピュラーになったのは、やはりアクセサリーではないでしょうか。遺骨の一部をアクセサリーの中に収納するタイプです。
これは、持ち歩く、身につけるという方法です。いつも一緒にいたいという想いや、ある意味お守りのような意味合いがあるのかもしれません。

このアクセサリータイプが進化したものが、遺骨から成分を抽出して人工的に作り出す、人工ダイヤです。(ダイヤモンド葬と呼ばれたりしています)
アクセサリーとして身につけることもでき、故人の形見として置いておくこともできます。

こうして、アクセサリーの中に入れる、またはダイヤに加工することで、身につける、持ち歩く、常に一緒にいられる手元供養が確立されていったように思います。

このアクセサリータイプが主流になる中、登場してきたのが、故人をかたどった人形のような置物です。この中に遺骨の一部を納めることが出来るようになったものなどが出てきました。3Dプリンターの発達や遺族の想いで生まれた手元供養と言えると思います。

これは、人のみならずペットの手元供養としても広く認知、利用されてきています。
最初の焼き物のお地蔵様にちょっと回帰したようにも思われませんか。

その後出てきたのは、遺骨の収納スペースを備えた仏壇型のタイプです。以前からあったのかもしれませんが、取り上げられるようになった背景には、墓じまいをされたり、手元供養を希望される方が増えてきている、ということが大いに関係しているのではないでしょうか。

この仏壇型のタイプの登場で、仏壇の形やデザインもまた変化してきました。仏壇の変化以上に変化し、多種多様になったのは、遺骨を入れる骨壺ではないでしょうか。

通常骨壺と言えば、円柱の真っ白い陶器の物を想像します。ですがいかにも遺骨が入っていそうに感じます。ですが最近では、家に置いておくことが前提になっているかのような、骨壺に絵が描いてある、白ではなく別な色で装飾が施されている物も見られます。

そして、最近情報としてよく目に耳にするようになったのは、墓石と同じ石材を使用した、墓石型の手元供養です。時々メディアなどでも取り上げられることも多くなってきているので、見たことがある方も多いのではないでしょうか。

ミニチュアの墓石のようにも見えますが、石材は墓石と同じ御影石を使用し、色やデザインも数種類準備されているようです。家の中に30㎝四方程度の空きスペースがあれば置くことができ、重さも数キロ程度なので、場所も取らず移動も簡単なようです。
手のひらに乗るような小さな骨壺があり、その中に遺骨の一部を収納して、小さいながらも本物の墓石のような手元供養です。

これを知った時は、とうとう家の中にまで墓石を持ち込んだのか!と衝撃を受けました。

ですが、この方法も言わば生まれてきて当然の手元供養の方法なのかもしれません。

なぜなら、墓じまいを選択される方がとても増えてきています。
日本人の文化なのかもしれませんが、ご供養をする時、墓地に行き手を合わせる、命日の他に、お盆やお彼岸、人によっては年末年始など。

その手を合わせる対象が墓石だったわけです。その墓石を片付けてしまった後の供養の方法として、手元供養を。多種多様にある手元供養の方法の中で、どんな手元供養の方法にするのか。それが墓石型の方法に行きつく方も少なくないように思います。

ざっとではありましたが、手元供養の歴史と変化についてお話させていただきました。
まだ、20年ほどの歴史ですが、変化しながら進化していると同時に、回帰しているようにも感じます。

仏事や供養は変化のスピードは決して速くはないと思っていますが、その中でも手元供養の変化、進化のスピードはとても速いと感じています。

これからの供養の形がどのように変化、進化していくのか、私は楽しみです。
(供養する意味や想いが変わらないことが大前提ですが…。)

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佐々木博一

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