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佐々木博一

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佐々木博一(ささきひろかず) / 墓石・終活カウンセラー

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コラム

自宅の庭に散骨!? あり? なし?

2022年10月15日

コラムカテゴリ:冠婚葬祭

コラムキーワード: 終活 いつからお墓お墓参り

みなさんは、「散骨」と聞いたら、場所はどこを連想されますか?

海(海洋散骨)、山や森(樹木散骨)が一般的ではないでしょうか。
それでもほとんどの方が海(海洋散骨)を思い浮かべるのではないでしょうか。

先日、墓じまいについてのご相談を受けたときのことです。

ご相談者は、高齢の男性の方で、いわゆるおひとり様と言われる方です。配偶者は無く、お子様もいらっしゃらず、現在おひとり暮らしをされていました。
将来お墓を守っていく承継者もいないため、自分で何とかしなければ…、という想いから、ご相談の連絡をいただきました。

墓じまいをするにあたって大切なことは、お墓を片付けること、そのこと以上にそこに埋葬されているご先祖様の遺骨をどこに改葬(お骨の引越し)するのか、ということです。

話を進めるうちに、私は核心の質問をいたしました。
「ところで、遺骨の改葬先は決めていますか?または予定などはございますか?」

ご相談者は答えました。
「遺骨を粉にしてくれる業者をどこか知っているか? 散骨にしたいと思って…。」

私は、散骨と言えば海洋散骨という概念もあり、(弊社で行ってもいるし)
「弊社で粉骨はできますよ。海洋散骨も弊社でできます。」
と答えました。

すると、相談者から意外な(私の想定外の)答が返ってきました。
「いやいや、粉骨だけでいい。粉にしたお骨は庭に撒こうと思っているから。」

ご相談者のご自宅は町の住宅地の一角にありました。大きな栗の木が立っているような、もう一軒家を建てれそうな広さの庭でした。特に何かに利用しているような感じではなく、草木の手入れはよくされているようでした。

「えっ、庭に!?」つい声が出てしまいました。
「ダメなのか?出来ないのか?」とご相談者。

みなさんなら、どう思います?
ご自分の所有している土地(庭)に散骨。 ありでしょうか? なしでしょうか?

法律的な観点から解説すると、現在の法律には、散骨について明記されている法律はありません。
ですが、「墓地、埋葬等に関する法律」というものがあります。その法律は、主に墓地について、埋葬については明記されていますが、散骨については触れていません。

この法律は、埋葬することを前提に作られている法律と言ってもいいでしょう。つまり、埋葬とは、土中(土に穴を掘る)に埋めることを指しています。土の上にお骨を撒く行為、つまり散骨については規制がないと判断されてしまいます。
法律が作られた時には、散骨と言う認識がなかったのでしょうね。

また、埋葬する時は墓地でなければならないとも明記されています。墓地以外に埋葬することは、法律で禁止されています。

ですので、万が一墓地以外の場所(例えば山とか森林など)から人骨が発見されると、大事件になってしまいます。死体遺棄、遺骨遺棄という犯罪になってしまいます。

話を戻しましょう。
ご相談者の「庭に散骨」という発想は、墓地以外の場所ではあるが、埋葬するわけではないので、法律的には×に近い〇ということになるのかもしれません。

ちなみに、樹木散骨の場合多いのは、山林に散骨をする場合、その土地の所有者の(寺院関係者が多いようです)了解を得て遺骨を撒いているようです。もちろん粉骨してですが。

このように、寺院関係者が散骨する場合でも、あくまでその土地は墓地ではなく山林として登記されていますが、所有者の了承を得て埋葬(穴を掘って埋める)ではなく、散骨が行われているのが現実です。

もうひとつ考えなければならないのは、風評や不動産価値などではないでしょうか。

ご自身の土地の庭ですから、誰にも知られずに散骨を行うことは可能だとは思います。
また、誰にも話さなければ知られずにやり過ごすことはできるのかもしれません。

ですが、何かの拍子にその事実が明らかになった時、今回のご相談者の方のように、おひとり様の場合、この土地や不動産はどうなるのでしょうか?
仮に相続人が現れたら…、この不動産を販売しようとしたら…。
最終的には、国に帰属されることにはなるのでしょうが…。
そうなった時のこの土地の行方は、私にはわかりません。

法律的な捉え方と風評を含めた現実的な捉え方と解説してきましたが、みなさんなら、自宅の庭に散骨、ありでしょうか?なしでしょうか?

私は過去の相談内容を思い返しても、本気で庭に散骨を考えている方は初めてでした。
ですが、声に出さなくても(または声に出せずに)今回の自宅の庭のように、目の届くところ、わざわざ出かけなくても済むような近場に、ひっそりと遺骨を置いておきたいと思う方は、少なからずともいらっしゃるということですね。

現在もそのご相談者との話合いは継続中です。その方の想いをお聴きしながら、合わせて今後のことも考えて最良の方法を、と思っています。

私の心の内を言えば、改葬許可申請書の記入の際、改葬場所はなんて書いたらいいだろう?
改葬場所、「自宅の庭に散骨」役場は許可をくれるだろうか?
どこかに前例があるのだろうか?

そんなことまでどこかで考えてしまうようなご相談内容でした。

今後このような事例は増えていくのでしょうか。増えるかどうかにかかわらず、散骨についての法の整備が必要な時期が将来訪れるような気がします。

みなさんはどうお感じになられましたか?

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この記事を書いたプロ

佐々木博一

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