終活セミナーを終えて
十和田市にも、ついに合葬墓が誕生致しました。靑森県内では、弘前市、青森市、八戸市に続いての合葬墓誕生です。今年の4月1日に供用開始の予定でしたが、2ヶ月前倒しして2月1日から供用、申し込みが開始されました。
詳細はわかりませんが、2ヶ月前倒しでのスタートということは、それだけ地域住民の方々からの声や問い合わせが多かったのではなかったのだろうか、と勝手に想像してしまいます。
合葬墓のある場所は、十和田市営の三本木霊園という霊園の一画にできました。国道45号線沿いにある霊園ですし、入り口には墓地区画の案内板がありますので、比較的わかりやすい場所かと思います。
形状は、円形状の芝生墓地。中心に御影石の丸い玉の供養碑が建立されていて、正面には三カ所の献花やお線香をお供えする石の台が設置されています。
天然の芝が敷き詰められていましたが、訪れたときはまだ緑ではなかったですね。そこに人工芝で敷かれた場所が三カ所。恐らくですが、その人工芝を剥がして(ずらす)、そこから埋葬するのではないかな、と思います。
単純に見た目で思ったことは、「ここも石碑は丸い玉なんだな、墓地全体は円形状の芝生墓地。」実は、弘前市、青森市、八戸市、ともに石碑はすべて丸い玉。十和田市の隣の八戸市も芝生墓地。
360度、どこからでも手を合わせることができるということから、円形状の墓地に丸い玉の石碑なんだろうな・・・。と勝手にそんなことを思ったりしています。
さて、その合葬墓の使用条件に関する概要ですが、市営で管理されている墓地ですので、他の自治体で運営されている墓地とほぼほぼ同じような内容です。
申し込みができる方は、十和田市民であること。さらに三本木霊園の一般墓地の使用許可を受けていない人で、もし十和田市民ではなかったとしても、死亡時において十和田市に住所を有していた者の焼骨を所持している方、という条件になっています。
使用料は焼骨1体当たり65,000円になります。
興味や関心のある方は、細かな詳細については十和田市のHPをご確認いただきたいと思います。
細かな詳細は省きますが、八戸市の合葬墓と大きな違いが二つあることに気づきました。
まずひとつは、使用料についてです。先にも述べたように、使用料は焼骨1体当たり65,000円となっております。これは八戸市も同様ですが、違う点は、現在三本木霊園を使用中の方が墓地を返還(墓じまい)し、改葬という形で合葬墓へ埋葬する際には、一般墓地1区画当たり65,000円になると書いてあります。
つまり、三本木霊園を改葬した場合は、仏様の人数で金額が増減するわけではなく、仏様の人数に関係なく1区画当たり65,000円だということです。
そしてふたつめですが、三本木霊園以外の墓地、つまりお寺の境内の寺墓地や、地域の共同墓地からの改葬された焼骨についても受け入れてくれるという点です。
使用料は、同じく焼骨1体当たり65,000円になります。
この点については、各自治体によって異なる点ではあるように思いますが、ちなみに八戸市の合葬墓の使用条件では、市営の霊園以外の墓地からの改葬による合葬墓使用は認められていません。
ちなみに八戸市に寺院は40以上あります。その半分以上が寺院独自の永代供養墓を所有しております。毎年のようにその数は増えてきています。
恐らくですが、使用料の安価な合葬墓で全てを受け入れてしまうことは、地域の寺院のあり方を考慮されているのではないだろうかと、勝手に推測をしています。
ただ、知っておいてほしいのは、市営の合葬墓と寺院の永代供養墓には、決定的な違いがあります。寺院の永代供養墓は文字通り永代に渡って供養することが目的になっています。
回忌法要や、寺院で定められた日に合同追悼式を行うなど、宗教的な儀式が行われることが一般的です。ですが、市営の合葬墓は一般的には法要などの宗教儀式は自治体が主体となって行うことはありません。(個別に宗教者を頼むことは可)
焼骨を預かり、埋蔵し、管理することを目的として準備されたものが合葬墓だということです。
合葬墓と永代供養墓の違いについてちょっとだけ書きましたが、寺院との関係性が希薄になってきているように感じる現代、さらに地方では少子化が進み、お墓をみてくれる承継者の不在など、考えてみれば、合葬墓が誕生し受け入れられる環境になってきていることは、色々なご相談を受けながらも感じるところではあります。
靑森県内だけではなく、全国的にも自治体が遺骨の行き先を考えなければならなくなってきているように思います。
身寄りが無い方だけではなく、仮にいたとしても、遺骨の引き取りを拒否されるというケースも全国には少なからずあると、また、埋蔵できずに長い時間保管されたままの遺骨があると、何かの記事でも読んだ記憶があります。
全国で増えてきている合葬墓。現代にあった必要不可欠なご供養の方法のひとつとして受け入れられてきているのかもしれませんね。
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