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岩本益宏プロは青森放送が厳正なる審査をした登録専門家です

妊活とダイエットの新常識

岩本益宏

岩本益宏

テーマ:不妊治療とサプリメント

「痩せること」より、「産む力を満たすこと」を優先しよう


妊活のご相談を受けていると、最近とても多い傾向があります。
それは、妊活と同時にダイエットをしている女性が増えているということです。

40代になると「体重が増えやすい」「昔より痩せにくい」と感じる人が多くなります。
SNSや健康サイトを見ても「糖質を抜く」「肉を食べない」「小食にする」など、痩せるための情報がたくさん出てきますよね。

そのため「妊活中でも、まず痩せなきゃ」と思い込んでしまう女性も少なくありません。
しかし、この考え方は妊活の成功率を下げてしまうことがあると、最新の研究で分かってきています。



■ ダイエットと妊活は、実は相性がよくない


妊活では、卵子の成長、排卵、子宮内膜の厚み、ホルモンのバランスなど、
体の中でたくさんの準備が進んでいます。

この準備には、エネルギーと栄養がたっぷり必要です。

ところが、ダイエットを同時に行うと、どうしても
•カロリー不足
•栄養不足
•ホルモンバランスの乱れ

が起こりやすくなります。

とくに最近多いのは、次の2つのパターン。

1)炭水化物をほとんど食べない
2)肉や魚などを避けて、野菜中心だけの生活

健康に良さそうに見えますよね。
ですが、妊活中には「逆効果」になりやすいのです。



■ 炭水化物を抜くと、体は“省エネモード”になってしまう


炭水化物は、卵巣が働くためのエネルギー源です。
ごはん・パン・麺を極端に制限すると、体が「エネルギー不足」と判断し、ホルモン分泌を弱めてしまいます。

その結果、次のような状態になりやすくなります。
•月経周期が長くなる
•排卵が遅れる
•排卵しなくなる
•基礎体温が乱れる

これは「省エネモード」に入ったサインです。
40代の妊活では、この“わずかな乱れ”が、妊娠率に非常に大きく影響します。



■ 肉・魚・卵を避けると、つくれなくなる「体の材料」


「健康のために菜食にしている」という女性からの相談も増えています。
しかし、肉・魚・卵には、妊活に欠かせない栄養がたくさん含まれています。

特に不足しやすいのは次の3つ。
•鉄
•ビタミンB12
•亜鉛

これらはすべて
卵子の成長、排卵、着床、ホルモンの安定
に関わる大切な栄養です。

不足すると…
•疲れやすい
•ふらつく
•むくむ
•月経量が減る
•月経周期が乱れる

といった不調が出やすくなります。

つまり、妊活中に肉・魚・卵を避けるのは、卵子を育てる材料が足りなくなるようなもの。
野菜中心の生活は素晴らしいですが、妊活中はたんぱく質と鉄の強化が必須になります。



■ 「痩せて産む」ことが良いという考え方は、もう古い


昔は一部の病院で「体重をもっと落としましょう」と言われることがありましたが、
今は、厚労省や産婦人科学会が過度な体重制限は行わないようにと明確に示しています。

理由ははっきりしていて、
痩せすぎや栄養不足は、胎児の将来の健康にも影響するからです。

研究では、低体重で生まれた子どもほど
•高血圧
•糖尿病
•肥満
になりやすいことが分かってきました。

妊娠中の栄養状態は、お腹の赤ちゃんの「未来の体質」をつくります。
そのため、妊娠前の段階から「痩せる」より「満たす」ことが大切なのです。



■ 妊活で本当に必要な栄養とは?


40代の妊活で特に重要なのは、次の3つ。

● 1. 葉酸

赤ちゃんの脳や脊髄の形成に必要。妊娠前から毎日摂りたい。

● 2. 鉄

排卵や着床の材料。月経がある女性は不足しやすい。

● 3. ビタミンB12

DNAの合成に関わり、葉酸の働きも助ける。肉・魚・卵に多い。

この3つがそろうと「妊娠しやすい体」が整いやすくなります。



■ PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の場合はどうする?


PCOSの女性は、やせることで排卵しやすくなることがあるため、
体重を少し落とすと良いケースがあります。

ただし、注意点はひとつ。
急激なダイエットは絶対にNG。

PCOSの場合も、
「栄養をしっかり満たしながら、ゆるやかに体重を落とす」
これが国際ガイドラインでも示されている方法です。



■ では、どのような食事が妊活に良いの?


一番の基本は**“主食・主菜・副菜をそろえる”**こと。
•主食(ごはん・パン・麺)
•主菜(肉・魚・卵・大豆)
•副菜(野菜・海藻・きのこ)

この3つを毎食そろえるだけで、体は大きく変わります。

● 40代の妊活で意識したいポイント
1.主食を抜かない
2.たんぱく質を毎食しっかり
3.葉酸の多い野菜を取り入れる
4.鉄とB12を強化する
5.カフェインは1日300mg以内に
6.お酒は控える
7.魚は週に2〜3回

たったこれだけで、ホルモンや卵子の状態は変わりやすくなります。



■ 妊活は「痩せる」ところから始める時代ではありません


40代の妊活は、時間がとても貴重です。
だからこそ、まずは「妊娠できる体の土台」を作ることから始めましょう。

ダイエットは、妊娠成立後に考えるのではなく、
妊娠しやすい身体が整ったあとに行うほうが、ずっと安全で効果的です。

妊活の近道は、
痩せることではなく、体を満たし整えること。

今日からの一食が、未来のあなたをつくります。

より詳しい内容はコチラ
妊活とダイエットの新常識——「痩せる」より「産む力を満たす」

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岩本益宏
専門家

岩本益宏(医薬品販売業)

有限会社くすりの厚生会

子宝専門の漢方薬店として、カウンセリングで「妊娠力」を高める食生活や睡眠など生活習慣改善についてアドバイスと漢方薬の販売を行う。漢方知識と、自らの不妊治療・体外受精・出産の経験を生かしお客様をサポート

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