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妊活で話題にならなくなったビタミンDってどうなった?

岩本益宏

岩本益宏

テーマ:妊活

ビタミンDの過剰摂取と不妊治療:注意が必要な理由

かつて、ビタミンDは不妊治療において非常に注目されていました。ビタミンDは女性のホルモンバランスを整え、子宮環境を改善し、さらには男性の精子の質を向上させるとされていたため、多くの不妊治療で積極的に取り入れられていました【6】。しかし、最近ではその取り扱いに変化が見られます。理由は、ビタミンDの過剰摂取による健康への悪影響が徐々に明らかになってきたからです。



ビタミンDの役割とは?

ビタミンDは脂溶性ビタミンで、体内でカルシウムとリンの吸収を助け、骨の健康を保つために必要不可欠です。また、ビタミンDは免疫機能をサポートし、女性の生殖機能にも関連していると考えられています【8】。そのため、ビタミンDが欠乏すると、妊娠率の低下や月経不順、ホルモンバランスの乱れにつながる可能性が指摘されています。

さらに、ビタミンDの適切な摂取が、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の改善や排卵促進に効果的だという報告もあります【8】。このため、不妊治療を受ける女性の間で、ビタミンDの重要性が一時期強調されました。

ビタミンDの過剰摂取のリスク

ビタミンDは重要な栄養素ですが、過剰摂取には大きなリスクが伴います。特に問題視されるのが「高カルシウム血症」です。ビタミンDを過剰に摂取すると、体内でのカルシウム吸収が過剰になり、血中カルシウム濃度が高くなることがあります。これが続くと、腎臓に結石ができるリスクが増えたり、腎臓に負担がかかり機能が低下する可能性があります【7】【9】。

例えば、2015年のケーススタディでは、ビタミンDを6か月間毎日50,000 IU摂取した男性が、繰り返し高カルシウム血症で入院したという報告があります【7】。また、別の事例では、1日に13万IUものビタミンDを長期間摂取していた女性が、腎臓の損傷や吐き気、嘔吐といった症状を引き起こしました【7】。

推奨されるビタミンDの摂取量

では、どれくらいのビタミンDを摂取すればよいのでしょうか?
厚生労働省が推奨する1日のビタミンD摂取量は、成人女性で約5.5μg(220 IU)とされています。また、妊娠中の女性には7.0μg(280 IU)が推奨されています【9】。不妊治療を受けている女性にとっては、1日に1000 IU程度の摂取が望ましいとされる場合もありますが、これも医師の指導のもとで調整が必要です【8】。

過剰摂取を防ぐためのポイント

1.日光浴を取り入れる
ビタミンDは、日光に当たることで体内で生成されます。日光浴は最も自然なビタミンDの供給源です【9】。ただし、炎天下での過度な日光浴は避け、朝や午後の弱い日差しを活用しましょう。

2.ビタミンDが豊富な食材を摂る
魚介類やキノコ類にはビタミンDが豊富に含まれています。食事から摂取することが推奨され、脂肪と一緒に摂ることでビタミンDの吸収が高まります【8】。

3.サプリメントは医師の指導のもとで使用する
食事や日光浴で十分なビタミンDを摂取できない場合は、サプリメントも一つの選択肢ですが、過剰摂取のリスクを避けるために、必ず適切な量を守ることが重要です【9】。

まとめ

ビタミンDは、適切な摂取で不妊治療に役立つ可能性がありますが、過剰摂取には注意が必要です。健康的な妊活のためには、日光浴や食事からのビタミンD摂取を心がけ、サプリメントを使用する場合は、医師の指導のもとで適切な量を守りましょう。不妊治療をサポートするために、ビタミンDの摂取量を正しく管理することが重要です。

参考資料:
【6】ビタミンDと不妊治療の関係性
【7】ビタミンDの過剰摂取による健康リスク
【8】PCOS改善とビタミンD
【9】ビタミンDを摂取するための適切な方法

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岩本益宏
専門家

岩本益宏(医薬品販売業)

有限会社くすりの厚生会

子宝専門の漢方薬店として、カウンセリングで「妊娠力」を高める食生活や睡眠など生活習慣改善についてアドバイスと漢方薬の販売を行う。漢方知識と、自らの不妊治療・体外受精・出産の経験を生かしお客様をサポート

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