妊活で人気だったL-アルギニンの現在
質問
はじめまして。2回流産し、大学病院で検査したところ橋本病と言われました。
この度また妊娠できましたが4週で流産しました。
3度も流産してしまうなんて、甲状腺異常があると妊娠は難しいでしょうか?
回答
はじめまして。お辛い経験を何度もされているとのこと、本当に大変な思いをされていることと思います。甲状腺の異常、特に橋本病が妊娠や流産に与える影響について心配されているのも無理はありません。
橋本病は、自己免疫性の甲状腺疾患であり、甲状腺の機能が低下することで、妊娠や妊娠の維持に影響を与えることがあります。甲状腺ホルモンは、妊娠の成立と維持に重要な役割を果たしており、ホルモンのバランスが崩れると、流産のリスクが高まることがあります。特に、甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンの分泌が不十分な状態)を伴う場合、妊娠の維持が難しくなることがあります。
橋本病による流産リスクを軽減するためには、甲状腺ホルモンのバランスを適切に管理することが重要です。一般的には、医師の指導の下で、甲状腺機能をモニタリングしながらホルモン補充療法(レボチロキシンなど)を行うことで、妊娠を維持する確率を高めることができます。また、甲状腺ホルモンの数値が適切に管理されている場合、多くの女性は健康な妊娠を維持できる可能性が高いです。
3度の流産ということで、精神的にも肉体的にも大きな負担を感じておられるかと思いますが、適切な治療と管理を行えば、妊娠を成功させる可能性は十分にありますので、主治医とよく相談しながら進めていかれることをお勧めします。
中医学では、甲状腺の問題は主に「腎気」(じんき)や「気血」(きけつ)の不足、または「陰陽のバランス」の乱れと関連しています。甲状腺の機能が低下している場合、中医学では「腎陽虚」(じんようきょ)や「脾腎陽虚」(ひじんようきょ)と捉えられ、体内のエネルギー不足や血の循環不良が問題になることが多いです。このエネルギー不足や血の循環不良が子宮に影響を与え、妊娠の維持が難しくなることが考えられます。
以下、中医学的なアプローチをいくつかご紹介します。
1. 腎気の補養
「腎」は生殖能力と密接な関係があるとされており、流産や妊娠に関する問題が起きやすい場合は、腎気を補うことが大切です。腎気は「生命の源」とも呼ばれ、これが不足すると妊娠を維持する力が弱まると考えられます。特に「腎陽虚」の状態では、体が冷えやすく、子宮の温度が低下し、胎児を育てる力が弱まる可能性があります。
推奨される対策:
温かい食べ物を摂取し、体を冷やさないようにする。
クルミ、黒ゴマ、山薬(ヤマイモ)などの腎を補う食材を日常的に取り入れる。
2. 気血の調和
中医学では、「血」が不足していると胎児に栄養が行き渡らず、流産につながるとされています。橋本病の影響でエネルギー(気)や血液の循環が滞ると、妊娠の維持が困難になることがあります。
推奨される対策:
「補気」(気を補う)と「補血」(血を補う)の効果がある食材や漢方薬を取り入れる。
血行を良くするため、軽い運動やリラックスする時間を取り入れる。気功や太極拳もおすすめです。
3. 陰陽のバランス調整
中医学では、妊娠や流産の問題を「陰陽の不調和」として捉えることもあります。特に、甲状腺の異常があると、体内の「陰」(体を潤す力)と「陽」(体を温める力)のバランスが崩れやすく、妊娠維持が難しくなることがあります。
推奨される対策:
体内の陰陽のバランスを調整するための食事と生活習慣の見直しを行う。例えば、過度なストレスや過労を避け、睡眠をしっかりとることが大切です。
陰陽を調整する漢方薬を、専門家の指導のもとで使用することが考えられます。
4. 心理的サポートと気の巡り
中医学では、流産が続く場合、心の状態やストレスが大きな影響を与えるとされています。ストレスや心配は「肝」(かん)の気の流れを滞らせ、血流やエネルギーの巡りに影響を与えることがあります。
推奨される対策:
心のリラックスを促すため、瞑想や呼吸法、リラクゼーションの時間を持つこと。
気を巡らせ、心の安定を図るための漢方薬が役立つ場合があります。
まとめ
橋本病がある場合でも、中医学的なアプローチで体内のバランスを整え、妊娠をサポートすることが可能です。腎気や気血を補い、陰陽のバランスを保つことで、妊娠の維持がしやすくなるでしょう。また、定期的に甲状腺ホルモンの数値を確認し、医師の指導に従うことが大切です。
お体の状態や心のケアも含め、できるだけリラックスした環境を整えながら次のステップを進めていけるよう、中医学の専門家とよく相談してみてください。