毎年3万人が亡くなる現実：統計データから見る腎臓病と透析治療の厳しさと予防の重要性
糖尿病と慢性腎臓病（CKD）は、どちらも多くの人々に影響を与える重大な病気です。両者は関連性が深く、糖尿病がCKDの主要な原因の一つとなっています。この記事では、糖尿病とCKDの統計データを比較し、それぞれの特徴や影響について初心者にもわかりやすく説明します。
1. 糖尿病とCKDの基本統計
・糖尿病：糖尿病は、血糖値が正常範囲を超えて高くなる病気で、世界中で増加傾向にあります。2021年の国際糖尿病連合（IDF）のデータによれば、世界で約5億3700万人が糖尿病を患っています。日本国内でも、糖尿病またはその予備軍とされる人は約1000万人と推定されています。
・CKD（慢性腎臓病）：CKDは、腎臓の機能が低下する病気で、世界の成人の約10%に影響を及ぼしているとされています。日本では、約1330万人の成人がCKDを患っていると推定され、糖尿病と同じく増加傾向にあります。
2. 日本国内の比較
日本では、糖尿病とCKDの両方が重大な健康問題となっています。
・糖尿病：厚生労働省のデータによると、成人の8人に1人が糖尿病の疑いがあると言われています。特に高齢者での罹患率が高く、60歳以上の日本人の約30%が糖尿病と診断されています。
・CKD：CKDは、成人の8人に1人が罹患しているとされ、特に高齢者での発症率が高いです。CKD患者の中には、糖尿病が原因で腎臓の機能が低下したケースも多く見られます。
3. 糖尿病とCKDの関連性
糖尿病はCKDの最も一般的な原因の一つです。糖尿病が進行すると、腎臓の血管にダメージを与え、腎機能が低下するリスクが高まります。このため、糖尿病患者の30〜40%がCKDを発症するとされています。
・糖尿病腎症：糖尿病による腎臓の合併症である「糖尿病腎症」は、日本の透析患者の約40%を占める最大の原因となっています。つまり、糖尿病を持つ人の多くがCKDに進行するリスクを抱えているのです。
4. 病気の進行と症状の比較
・糖尿病：初期段階では無症状であることが多いですが、進行すると口渇、多尿、体重減少、疲労感などの症状が現れます。血糖コントロールが悪いと、心臓病、脳卒中、腎臓病などの合併症を引き起こします。
・CKD：CKDも初期には自覚症状がほとんどありません。しかし、進行するとむくみ、倦怠感、尿の異常などの症状が現れます。進行が進むと末期腎不全に至り、透析や腎移植が必要になることもあります。
5. 予防と管理
・糖尿病とCKDの予防と管理には、生活習慣の改善と定期的な検診が欠かせません。
・糖尿病：バランスの良い食事、適度な運動、ストレスの管理が重要です。また、定期的な血糖値のチェックと、医師の指導に従った薬物療法も必要です。
・CKD：CKDの進行を抑えるためには、血圧や血糖値の管理が不可欠です。塩分を控えた食事や適度な運動、定期的な尿検査や血液検査で腎機能をモニタリングすることが推奨されます。
まとめ
糖尿病と慢性腎臓病（CKD）は、どちらも日本国内で多くの人々に影響を及ぼす重大な病気です。糖尿病がCKDの主要な原因となることが多く、両者の関連性は非常に深いです。
統計からもわかるように、糖尿病患者の中でCKDを発症するリスクが高いことから、糖尿病の予防や早期発見、適切な管理がCKDの発症や進行を防ぐ上で重要となります。生活習慣の改善や定期的な健康診断を行うことで、糖尿病とCKDのリスクを軽減し、健康な生活を維持することが可能です。
慢性腎臓病（CKD）と糖尿病の統計的比較
