年金財政検証から改めて思ったこと
こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの土田です。
年金法改正で公的年金の受給開始を75歳まで繰り下げることが可能となり、老後生活の選択肢の一つになりそうです。
今日の日経新聞にはこのような記事がありました。
日経新聞12/22朝刊 「年金繰り下げ7つの基本 増額へイデコと「継投」も」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53595310Q9A221C1PPE000/
以下引用
年金をもらい始める時期を遅らせる代わりに額が増える「繰り下げ受給」。選べる年齢を国は75歳まで延ばす見通しで、その場合の年金額は原則である65歳開始に比べて84%増える。繰り下げは、終身給付という年金本来の利点をより生かせる面がある一方、注意点も多い。判断するための7つの視点をまとめた。
引用終わり
記事では法改正後には現在70歳までとなっている年金繰り下げが75歳まで可能となり、一カ月あたり0.7%の年金増額となるので、最大で84%の増額になることや、長生きの確率として、1960年生まれの方では男性38%女性64%が90歳まで生きるというデータなどを示し、年金は本来、「長生きリスクに備える保険」というものとして、その本質に立ち返ることを提案しています。
繰り下げ受給に関しては、「繰り下げた場合に何歳で元が取れるか?」という事を主題にして考える傾向がありますが、本来は「長生きリスクに備える保険」なので、結果的に「元を取る」という感覚ではなく、長生きを前提として、どのようにしたら経済的に「安心」なのか?を考える必要があります。
例えば100歳まで生きると仮定して、何歳まで働き、自己資金の活用も考えた上で、公的年金を何歳から受け取るのが良いのかを考える重要性が増したと言えるでしょう。
今回の年金改正では、年金受給年齢の変更(68歳から受給開始など)をしない代わりに、国民に対して75歳まで受給開始年齢を遅らせる選択肢を与え、また他方では、65歳定年や70歳までの雇用延長などを企業に要請し、高齢者を就労者として、社会保障の支え手に変えて行くやり方に方針転換を図りました。※パート就労者への厚生年金加入要件変更なども支え手を増やすやり方ですね。
この様に、国の方針は決定しているので、後は我々国民がどのようなライフプランを描き実践していくのかにかかってきます。
一昔前のように、「社会に出たら定年まで働き、後は年金で悠々自適な老後」のようなモデルは崩壊しており、これからは、「何歳まで働くのか?老後はどのような生活をするのか?その為にどのように資金や働き口などを用意していくか?」などを考えておかなければいけない時代になっています。
記事でも、「長生きリスクに対応する2つのイメージ」として、65歳まで就労してそれから年金と自己資金の取り崩しで生活するものと、なるべく長く就労してその後75歳まで自己資金を取崩し、増額された年金で生活するパターンを掲載しています。
公的年金の強みは「終身年金」であり、死ぬまで受け取れるので増額効果を活用できれば最も安心なものかも知れません。
※特に自己資金を運用で殖やすことに抵抗がある方は公的年金をどう活用するかが鍵になります。
とはいえ、緊急的な資金需要に対応するためには一定の資金も必要であり、記事でも「2つのパターンを組み合わせること」を提唱しています。
こういった「選択肢」が増えることは良い事ではありますが、しっかりとしたライフプランを持っていなければ、折角の選択肢も活用できず仕舞いになってしまいます。
「ライフプラン」の重要性が益々増してきたと感じる記事であり、今後の相談に於いてはこういった「退職年齢」に関してより重要度が増すかも知れません。
とはいえ多くの方の理想的には65歳で退職しても良いくらいの資金が作れていれば良いと思いますし、それが可能ならそのようなプランニングで、65歳以上は働きたければ働く(ライフワークとしての仕事、ライスワーク(食べるために仕方なく)ではなく)として実現するサポートができればと考えていますし、実際20代や30代、40代前半くらいの相談者にはそういうプランニングで十分対応できています。
40代後半以上の方で貯蓄等が少なければ、こういった老後のプランニングは喫緊の課題となりますので、ぜひ時間を取ってご家族と一緒に検討されると良いでしょう。
何れにしても、「ライフプラン」の重要性が増している時代です。
自分で考えるのは大変という方はぜひご相談にお越し下さい。
ご相談はこちらからどうぞ。
今日もありがとうございました。