保険の考え方
こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの土田です。
昨日は秋田の、そして「公立高校」の星!日本ハムの吉田輝星投手がプロ初登板初勝利!!!
2軍で結果がイマイチの中での一軍登板とあって一部には批判的な声もあったようですが、そこはやはりスター!本番に強いことを証明してくれました!※しかも相手は広島で大瀬良投手!今後も非常に楽しみですね!
さて、今日は「外貨建て保険」についての記事を紹介します。
「外貨建て保険」苦情6年で4倍 リスク開示不十分 産経新聞
https://www.sankei.com/economy/news/190613/ecn1906130002-n1.html
以下引用
主に銀行窓口で販売される「外貨建て保険」をめぐり、契約者からの苦情が平成30年度に前年度比34・6%増の2543件に上ることが12日、分かった。生命保険協会が近く公表する。直近6年間で4・3倍に増え、歯止めが利かない状態だ。商品開発を担う生命保険業界と販売を受託した銀行業界の間で責任の所在があいまいになり、強引な営業活動が抑制されにくいことが背景にありそうだ。
引用終わり
以前から問題視されている「外貨建て保険」の苦情件数が改善するどころか増加しています。(前年比34.6%増)
「為替リスクによる元本割れリスク」の説明不十分というのが原因とありますが、実際はどうなのでしょうか?人は損失を出すと誰かのせいにしたいものなので、必ずしも売り方だけに問題があるとも思えません。※プラスになって苦情を言う方はいませんので
一時払い系の外貨建て保険は大体10年満期のものが多いので、10年前の為替レートを見ると、為替で損失を出したのかは予測できます。(為替リスクは、円安になればプラス 円高はマイナスに作用します。)
米ドルの年平均は
2007年 117円 2008年 103円 2009年 93円
2017年 112円 2018年 110円 2019年 108円(6/13日)
なので2007に買った方は円高でしたが、2008年は円安になっていますので、恐らく元本割れしてはいませんね。
では苦情が増加した原因はどこにあるのでしょうか?
実は外貨建て保険で銀行などが良く売っているのは米ドルだけでなく「豪(オーストラリア)ドル」の商品もあります。そして、豪ドルの方が見栄え(利息が多く貰える)が良いことや、銀行などに保険会社から支払われる「手数料」も高いので、売る側から見て売りやすく儲かる商品になっています。
そこで、豪ドルの為替も見てみましょう。
2007年 98円 2008年 88円 2009年 73円
2017年 85円 2018年 82円 2019年 74円(6/13日)
となっており、昨年も一昨年も円高に振れてしまいました。
※あくまでも年平均なので、その方が買った時期や満期時期によって差があります。
ということは、苦情になっているのは「豪ドル建て」の外貨建て保険の確率が高そうですね。※2019年は今のところ若干円安なので苦情は減るかもしれません(汗)
また、記事では銀行が外貨建て保険販売を強化している理由として、「長引く低金利で、銀行も融資での利益が難しく、また保険会社も日本円建ての保険を売りにくいため、高額な手数料収入がある外貨建て保険をどうしても売りたくなる」と銀行や保険会社の事情も帝京大経済学部の宿輪純一教授の言葉として載せています。
しかし記事中にあるように、「認知症の90代女性に2000万円の豪ドル保険を販売し180万円の損失を出した」などという、法的にも倫理的にも、そして資産運用的にも完全に間違った販売もされているようでこれには言葉もありません。
銀行員は日本では非常に信用度が高い職業です。そのためリスクがある金融商品でも、銀行で買うとリスクがないような錯覚をする方も一定数いらっしゃいます。銀行という「安心感」が金融商品の購入のハードルを下げるのは、外貨建て保険に限らず投資信託もそうです。しかしその実、手数料を稼ぐためにその信用を利用しているところもあると認識する必要があるかもしれません。
銀行で勧められたからといって安易に買わず、しっかりと自分の人生にその金融商品が必要なのかを判断して欲しいですし、「分からないものは買わない」という姿勢も大切です。また、場合によってはセカンドオピニオンとして、独立系FPやIFA(独立系金融アドバイザー)にアドバイスを求めて欲しいと思います。
金融商品に関するアドバイスが欲しい!という方はこちらからどうぞ。
https://www.kakei-lab.jp/お問合せ/
今日もありがとうございました。