いわき在住フォトジャーナリスト高橋智裕写真展
この冬は東北の復興計画に携わっていました。
普段は愛知県を拠点としていますが、できるだけ復興の状況についてアンテナを張っているつもりでした。
メディアでは震災から3年を経てかなり復興が進んでいるように受け取っていました。
与えられたミッションを終えた後、担当ではなかった被災地を回ってみての実感は復興がたどり着くまではまだまだ遠いということでした。
確かに被災地のがれき処理などはかなり進んでいますし、復興道路など復旧・整備は進んでいます。
しかしそれはマクロ“まちづくり”であるインフラが復旧・復興しているということであって、市民・住民レベルでの“まちづくり”はほとんど進んでいないということです。
阪神・淡路大震災や今回の東日本大震災を経て「減災」や「防災」に関する仕組みづくりやインフラ整備は進んできました。確かに自然災害から生命を守るということは最初の一歩です。そして避難場所を確保し、衣食の不安を無くす。これも大切です。
この段階まではできるだけ早く立ち上げ、解決し、次のステップに移すことが必要です。
そして、その次のステップは「復興まちづくり」のステージなのですが、これもできるだけ早く立ち上げることが望ましいのですが、ここで大きな壁に当たってしまう事になります。
これまでと同じものを復旧するのか、それとも未来志向の形で復興を進めるのか。
誰がその未来予想図を描くのか。
仮に未来予想図が描けたとして、ロードマップはどうするのか?
仮定の話というのは難しいですが、防災・減災計画の話と同時並行で復興まちづくり計画についても常に議論し、準備を行っておくことも必要なのではないかと実感しました。