「シュテルンビルト」と「ブレードランナー」

谷口庄一

谷口庄一

テーマ:都市環境デザイン

『TIGER & BUNNY』(タイガー・アンド・バニー)というアニメの舞台となっているシュテルンビルトという都市をご存知でしょうか?
アニメなので子供の観るものだと私も思っていたのですが、このアニメは30代女性にブレイクしているらしく、東京国際アニメフェア2012・第11回東京アニメアワードではテレビ部門優秀作品賞、キャラクターデザイン賞、声優賞などを受賞しているのです。このアニメで特筆すべきことは「プロダクトプレイスメント」という広告手法を大胆に取り入れているところで、出てくるヒーローたちのスーツに携帯電話会社やコンビニ、焼き肉店、清涼飲料水などのロゴが大胆にプリントされているのです。

このアニメの舞台になっているのか「シュテルンビルト」という架空の都市で、読み仮名だけではドイツ語っぽいですが中に出てくる表記のほとんどが英語になっています。都市住民は多国籍で、高層ビルが林立しています。

アニメや映画では未来都市が良く描かれるものですが、1982年に「ブレードランナー」というハリウッド映画が公開されてからはアニメや映画で描かれる未来都市は「ブレードランナー」に出てくる都市がベースになっています。
超高層ビルが林立し、ビルの壁面には大画面の映像広告が流れており、飛行船の横にも大画面映像広告が設置され、ゆっくりと都市上空を移動しています。
自動車は地上のみながず空中に高速道路のような通路が設定され、高速移動は空中、そして地上も走る事できるようになっています。地上部は低所得者が暮らし、高所得者は高層階に居住して移動は高層階から直接移動できるようになっています。
日本語や日本語の看板が氾濫しながらも、中国語も数多くみることができ住民は英語のみならず日本語や英語も自由に会話することができます。

「ブレードランナー」という映画は1982年に公開されたのですが、同じ年にスティーブンスピルバーグの「E.T.」が公開されたこともあり、あまり注目を浴びなかった経緯があります。しかし、ブレードランナー以前の映画の未来像は白人が中心の社会であったのに対して、ブレードランナーの未来都市はアジア的な猥雑さや混沌さがリアルに描かれたことが建築家や都市計画を学ぶ者にとっては衝撃を与えた作品でもありました。

最近、渋谷駅周辺を中心に東京が「ブレードランナー」的な都市に変わりつつあることに多少違和感を感じています。この街が良いという方も多いのも事実ですが、都市というのは何をもって都市というのかを考えさせられる空間とも言えます。

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