「最近何が楽しい?」が言えない人へ!

◆コラムの動画版YouTubeを、11/6木曜日 18:00より配信開始!
https://youtu.be/jOuTlOmBqUM
夜、布団に入っても眠れない。
「明日の予定どうしよう」「あの人の言葉が気になる」「このままでいいのか…」
そんなふうに、頭の中が止まらなくなることはありませんか?
現代人の多くが抱える“夜の思考暴走”。
眠ろうとするほど、思考が加速してしまう。
実はこれ、「ストレス反応」と「脳の防衛機能」が関係しています。
■ なぜ夜になると考えすぎてしまうのか?
人は日中、外からの刺激や人間関係、仕事のプレッシャーなどにさらされています。
このとき、脳は常に“判断モード”=交感神経優位の状態。
夜になると静かになり、外的刺激が減る。
すると脳はようやく「今日の出来事を整理しよう」と動き出します。
つまり、眠る前こそ頭が“反芻(はんすう)モード”になりやすいのです。
特にストレスが多い日や、心にモヤモヤを抱えているときほど、
脳は「未解決なこと」を再生し続けます。
この状態を放置すると、眠りが浅くなり、翌朝の疲労も取れません。
■ “考えを止める”のではなく、“距離を取る”
「考えすぎないようにしよう」と思っても、かえって逆効果。
「考えちゃダメ」と思うほど、その考えが強く意識に浮かんでしまう。
これを心理学では「シロクマ効果」と呼びます。
そこで有効なのが、**「思考ストップ法」**です。
これは、思考そのものを消すのではなく、
“考えとの距離”を取る方法です。
■ ステップ① 思考を「声」に出して止める
頭の中でグルグル考えているときは、思考と自分が一体化しています。
そのため、まず「ストップ!」と小さく声に出してみましょう。
脳は“聴覚刺激”によって一瞬思考を中断します。
次に、考えていたことを一言で表します。
「明日の会議が不安」「人にどう思われるか心配」など。
そして、「今は考えない」と宣言してみてください。
自分の脳に「そのテーマは一時停止でOK」と命令を出すのです。
■ ステップ② 呼吸に意識を戻す
思考を止めた後は、必ず“呼吸”に注意を向けましょう。
呼吸は今この瞬間にしか存在しません。
つまり、呼吸に集中することは“今ここ”への回帰です。
ゆっくり4秒吸って、6秒吐く。
この「4-6呼吸法」を3分続けるだけで、副交感神経が優位になり、
自然と眠気が戻ってきます。
■ ステップ③ 「言葉の置き換え」で心を緩める
眠れない夜は、頭の中で“否定的な言葉”が流れがちです。
「もし失敗したら」「どうせ無理だ」「あの人が悪い」…。
このような言葉が脳を緊張させています。
そこで、思考ストップの仕上げとして、
「安心の言葉」に切り替えてみましょう。
たとえば——
「今は休む時間」
「明日の自分がきっとなんとかしてくれる」
「今日はここまででいい」
このように、優しい言葉を自分にかけることで、
脳は“戦闘モード”から“回復モード”に切り替わります。
■ 夜の“思考リセット習慣”を持とう
ポイントは、「眠る前にリセットの時間をつくる」こと。
スマホを手放し、照明を落とし、
5分だけでも“思考ストップタイム”を取ってみてください。
思考は止めるものではなく、整えるもの。
自分の内側を静かに観察する時間が、
翌日の集中力や感情の安定にもつながります。
■ まとめ
眠れない夜に必要なのは「考えない努力」ではなく、
「考えすぎた自分を認めて、思考を優しく手放すこと」。
・声に出して「ストップ」と伝える
・呼吸に意識を戻す
・安心の言葉をかける
この3ステップで、思考のスイッチを静かにOFFにしてみてください。
眠れない夜こそ、自分を責めず、ゆるやかに休む練習を。



