Day141:空き家・実家問題をどうする?知らないと損する“5つの選択肢とその後の流れ”!

◆コラムの動画版YouTubeを、11/3月曜日 18:00より配信開始!
https://youtu.be/704vgl1-6co
■「うちは大丈夫」と思っていませんか?
「うちは財産なんて大したことないから」「兄弟仲もいいし、揉めることなんてないよ」
そう言うご家庭ほど、“見える化”ができていないことが原因でトラブルになるケースが少なくありません。
実際、家庭裁判所に持ち込まれる相続トラブルのうち、75%以上が5,000万円以下の遺産です。
つまり、“資産家だけの問題ではない”ということ。
問題の本質は「財産の量」ではなく、情報の共有不足にあります。
■トラブルの多くは「知らなかった」から始まる
親がどんな財産を持っているのか、借金や保険の契約内容はどうなっているのか――。
多くの子どもは、親が亡くなって初めてその全貌を知ることになります。
・「預金が複数の銀行に分かれていて、手続きが大変だった」
・「不動産の名義が父のままで、相続登記が必要だった」
・「保険がどれだけあるのかわからず、請求期限が過ぎてしまった」
こうした“情報の混乱”が、兄弟間の誤解や不信感につながっていきます。
つまり、**相続トラブルの火種は“情報の不透明さ”**なのです。
■“財産の見える化”は「話し合い」のきっかけ
「財産の見える化」と聞くと、なんだか気が重いかもしれません。
でもこれは、「相続の話をするため」ではなく、
“これからの暮らしをどう安心して過ごすか”を一緒に考える作業でもあります。
たとえば、次のようなリストを一緒に作るだけでも大きな前進です。
◉財産リストの例
銀行口座(金融機関名・支店・名義・用途)
保険(会社名・契約者・受取人・満期日)
不動産(土地・建物・名義人・所在地)
株式・投資信託などの有価証券
借入・ローン(金融機関名・残高)
クレジットカードや電子マネー
デジタル資産(ネットバンク、SNS、会員サイトなど)
最初から完璧を目指す必要はありません。
「親と一緒に確認できたこと」そのものが、信頼の第一歩になります。
■親が話しやすくなる3つの工夫
相続やお金の話は、どうしても重くなりがちです。
「そんな話、縁起でもない!」と拒否されることもあるでしょう。
そんな時は、次の3つのポイントを意識してみてください。
1:タイミングを選ぶ
病気や入院などの直後ではなく、心身が落ち着いているときに話す。
「元気なうちに整理しておこうね」と前向きに切り出すのがコツです。
2:“話し合い”より“聞き取り”から始める
「どこの銀行に口座があるの?」「この家って名義どうなってる?」など、
質問ベースで穏やかに聞き出していく。
命令口調や詰問調になると、親は一気に心を閉ざしてしまいます。
3:記録を“見える形”で残す
ノートでもExcelでも構いません。
紙に書き出すと「整理できた感」が生まれ、親自身も安心します。
最近では「エンディングノート」や「財産管理ノート」なども市販されています。
■“財産の見える化”は親孝行の新しいカタチ
かつての親孝行といえば、「仕送り」や「旅行のプレゼント」でした。
でもこれからの時代は、
「親の財産と気持ちを整理してあげること」も立派な親孝行です。
特にデジタル化が進む今、ネット口座やキャッシュレス決済が増え、
遺族が把握できない資産・負債が増えています。
放置しておくと、請求漏れや課税の問題に発展することもあります。
だからこそ、**“家族で情報を共有する文化”**が必要です。
それは「財産の奪い合い」ではなく、「思い出と責任の共有」です。
親の想いを未来につなぐ準備でもあります。
■まとめ|“見える化”で家族の心も整う
財産の見える化は、単なる書類整理ではありません。
それは、親の生き方・家族の絆を再確認する作業です。
・何をどこに持っているか
・誰にどんな想いを伝えたいか
・どんな形で家族に残したいか
この3つが見えてくると、家族の関係にも安心感が生まれます。
「相続の準備=死の準備」ではなく、
**“安心して生き続けるための準備”**なのです。
親の終活は、家族の未来を整える時間。
まずは、あなたから「一緒に整理してみようか」と声をかけてみてください。



