Day113:実家の片づけ、どこから始める?“生前整理”を進める5つのコツ!

「お葬式の話なんて、縁起でもない…」
そんな言葉を、誰もが一度は耳にしたことがあるかもしれません。
でも、いざその時が来たとき、家族が一番困るのがこの“葬儀”の準備です。
悲しみの中で、式場・お寺・費用・親戚対応などをすべて決めるのは、想像以上に大変なこと。
実は「元気なうちに話しておく」ことこそ、残される家族への最大の思いやりでもあるのです。
■1.なぜ“葬儀の話”が避けられるのか?
親世代にとって、「自分の葬式を話す」ことは“死を早めるようで嫌だ”という心理が根強くあります。
また、子ども世代も「そんな話を切り出したら失礼では?」と感じてしまう。
結果、誰も話題にできないまま、突然その日を迎えて慌てるケースが多いのです。
しかし実際に多くの葬儀関係者が口を揃えるのは――
「事前に希望を聞いていた家族ほど、落ち着いて穏やかに見送れている」
ということ。
つまり、“死を語ること”は、“生き方を語ること”でもあるのです。
■2.まずは「価値観」を共有することから
いきなり「どんな葬式がいい?」と聞くと、親も構えてしまいます。
最初は、もっと柔らかい会話から始めてみましょう。
たとえば――
「最近、○○さんのお葬式に行ったけど、家族だけで静かに送ってたよ」
「お母さんだったら、どういう形がいいと思う?」
「自分の時は、こんな風にしてほしいって思ってるんだ」
こうした“世間話”や“自分の考え”を交えながら、自然に親の価値観を聞き出すのがコツです。
人によっては、「立派に送りたい」「できるだけシンプルに」「子どもに迷惑をかけたくない」など、希望がはっきりしていることも多いものです。
■3.話し合っておきたい具体的な項目
少しずつ話ができるようになったら、以下のような項目を一緒に整理しておきましょう。
書面にまとめておくと、いざというとき本当に助かります。
項目:内容の例
・葬儀の形式:家族葬・一般葬・直葬など、希望する形態
・ 宗派・お寺:菩提寺や葬儀社への希望、戒名について
・式の内容:音楽・花・写真・メッセージなどの希望
・費用の準備:積立・保険・預貯金など、支払い方法
・誰に知らせるか:呼びたい親族・友人・地域関係者など
・埋葬の希望:土葬・火葬・納骨・散骨などの意向
・エンディングノート:自筆・デジタル記録などの形で保管
「今はまだ早いよ」と言われたとしても、
一度話題にすることで“心の準備”ができ、次に話しやすくなるものです。
■4.“希望を共有する”ことで生まれる安心感
親にとって、自分の想いを言葉にすることは“心の整理”にもなります。
そして子どもにとっても、「親の望みを叶えられる」という安心につながります。
実際、葬儀後に後悔の声を上げる人の多くは――
「あのとき、ちゃんと聞いておけばよかった」
というもの。
葬儀の話は「死の準備」ではなく、「家族の絆を再確認する時間」と捉えてみてください。
その対話の積み重ねが、残りの時間をより豊かにしてくれます。
■5.話すきっかけをつくる「3ステップ」
1: きっかけを共有する
ニュースや知人の葬儀を話題にするなど、タイミングを見つけて自然に切り出す。
2: “自分の考え”から話す
いきなり親の希望を聞くより、自分の想いを伝えると話しやすい。
3: 記録に残す
メモやエンディングノート、スマホのメモ機能など、形にして共有しておく。
■6.まとめ|「語り合うこと」は、最大の愛情表現
親の終活は、“もの”や“お金”の整理だけではありません。
本当の意味での「終活」は、家族の心を整理する時間。
「話すのが怖い」ではなく、
「想いを共有できるありがたさ」に目を向けてみましょう。
親の想いを聞き、自分の気持ちも伝える――
その小さな会話が、後悔のない“家族の時間”をつくります。



