Day120:親のお金が心配…年金・貯金・保険を“一緒に確認”する方法|老後不安を減らす3ステップ【親の終活】

川元伸一

川元伸一

テーマ:親の終活

Day120


◆親のお金が心配…でもどう切り出せばいい?

高齢の親と暮らす、あるいは離れて暮らしていても「親のお金が心配…」と感じる人は多いでしょう。
「年金はいくらもらっているの?」「貯金は大丈夫?」「保険って入ってるの?」
本当は聞いておきたいのに、なんとなく聞きづらい。
でも、介護や病気、相続の時に“何も知らない”状態だと、子ども世代が困ることになります。

実際、親の入院費や介護費用を一時的に立て替えるケースも多く、
「銀行のどこにいくらあるのか」「年金の振込先」「保険の加入内容」が分からず、
手続きが止まってしまうことも少なくありません。

だからこそ、“元気なうちに一緒に確認”しておくことが何より大切です。
とはいえ、デリケートな話題でもあるため、無神経に聞いてしまうと親のプライドを傷つけてしまうことも。
今回は、自然に・安心して・実際に整理が進む「3ステップ」でお伝えします。


◆STEP1|“きっかけづくり”は「心配だから」ではなく「安心のため」

最初のポイントは、「心配だから確認したい」ではなく、
「お父さんお母さんが安心して生活できるように、一緒に整理しておこう」という姿勢です。

親世代にとって「お金のことを聞かれる=管理できていないと思われている」と感じる人も多く、
「ちゃんとしてるから大丈夫!」と反発されてしまうことも。

そんな時は、自分の例を出すのが有効です。

「最近、老後のお金の整理を始めてみたんだ」
「年金のことを調べてたら、親の分も気になって…」

こうした“共に学ぶスタンス”をとることで、抵抗感を和らげられます。
目的は「お金を知ること」ではなく、「安心の仕組みを一緒に作ること」。
この意識を持つだけで、話の進み方が変わります。


◆STEP2|“見える化”の第一歩は3つの項目だけでOK!

最初から細かく聞く必要はありません。
まずは以下の3つだけをざっくり整理してみましょう。

①年金(毎月の収入源)

・どの年金を受給しているか(国民年金/厚生年金など)
・いつ・どの銀行口座に振り込まれているか
・年金額の通知書の保管場所

=ポイント:
「ねんきん定期便」や「年金振込通知書」を一緒に確認するだけでも、
毎月の収入と生活費のバランスが見えてきます。

②貯金(生活資金+緊急資金)

・メインバンクと支店名
・通帳・キャッシュカードの保管場所
・定期預金・ネット銀行など複数口座の有無

=ポイント:
「もし入院したら、このお金をどう使うか」を想定しておくと現実味が出ます。

③保険(医療・生命・介護など)

・加入している保険の種類と保険会社
・保険証券や契約者貸付などの内容
・受取人・連絡先

=ポイント:
「医療保険」「がん保険」「共済」など、重複加入や不要なものがあるケースも多いので、
一覧化することで無駄を減らせます。


◆STEP3|“お金の整理ノート”を一緒に作る

親のお金を確認するうえでおすすめなのが、
「エンディングノート」や「ライフノート」を一緒に書くこと。

形式ばったものでなくても構いません。
ノート1冊を用意して、次のようなページを作るだけでも立派な「見える化」になります。

項目:内容:保管場所:備考
年金厚生年金(月○万円)○○銀行△△支店振込日は毎月15日
貯金普通預金○○万円通帳・印鑑は居間の引き出しATM暗証番号はメモ残さない
保険○○生命/医療保険書類は棚の青いファイル保険金受取人=長男

=「親子で一緒に記入する」ことで、
書きながら自然に会話が生まれ、親も「安心して託せる」と感じやすくなります。


◆STEP4|“家族会議”は早め・少人数で

お金の話を進めるうえで、兄弟姉妹がいる場合は後から誤解を招かないように、
小さくても「家族会議」を早めに開くのがおすすめです。

「最近、年金とか保険を整理しておこうと思って」
「トラブル防止のためにみんなで把握しておきたいんだ」

こうした“情報共有”の段階で、意見のすり合わせをしておくと後がスムーズです。
特に葬儀費用や相続の分担などは、生前に方向性を決めておくことが最大の防災策。


◆STEP5|「見える化」は“信頼の見える化”

親のお金を確認するのは、決して“監視”ではありません。
**「安心して老後を過ごすためのサポート」**です。

親も、子も、どちらも“自分の将来を守るため”に。
そして「もしもの時に迷惑をかけないために」。
そうした前向きな動機を共有できれば、親子関係もより信頼が深まります。


◉まとめ|“聞きづらい”ことこそ、早めに話す勇気を

お金の話は、最初の一言が何より難しいテーマです。
でも、一度整理しておけば、その後の人生が驚くほど楽になります。

今日のまとめ
・「心配」ではなく「安心のため」と伝える
・まずは「年金・貯金・保険」の3項目だけ
・一緒に“お金のノート”を作る
・家族間の共有も早めに

これらを意識するだけで、親も子も“見えない不安”から解放されます。
ぜひこの週末、ほんの少しだけ勇気を出して「一緒に整理しようか」と声をかけてみてください!

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川元伸一
専門家

川元伸一(ウェルネス&オンライン起業コンサルタント)

KIS zero株式会社(ケーアイエスゼロ)

45歳以上のウェルネスライフを実現する、健康・起業・終活を支援するコンサルティングを提供。豊富な経営経験に基づくサポートで行動につなげます。運動や食生活、メンタルをテーマにしたオンライン講座も開催。

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