Day087：加工食品に多い“保存料・着色料”が体に与える影響とは？

◆コラムの動画版YouTubeを、本日9/17水曜日18:00より配信開始！
https://youtu.be/qJaAhDa4Rms


◆加工食品に潜む“保存料・着色料”とは？

現代の食生活に欠かせないのが「加工食品」。コンビニのお弁当、スーパーのお惣菜、袋菓子やパン、冷凍食品まで、私たちの身近にあふれています。その便利さの裏には、“保存料”や“着色料”といった食品添加物の存在があります。
保存料は食べ物を腐りにくくし、長期保存を可能にするために使われ、着色料は見た目を鮮やかにして「美味しそう」と感じさせるために使われます。どちらも食品を売る側にとっては欠かせないものですが、私たちの体にどのような影響を与えているのでしょうか？


◆保存料が体に与える影響

保存料は食品の腐敗やカビの発生を防ぐ役割を果たしています。代表的なものにはソルビン酸カリウムや安息香酸ナトリウムがあります。
適正に使用されている場合、直ちに健康被害が出るわけではありません。しかし、長期間にわたり摂取を続けると以下のリスクが指摘されています。

・腸内環境の乱れ
保存料は「菌の繁殖」を防ぐものです。食品の腐敗菌だけでなく、腸内の善玉菌に影響を及ぼす可能性があります。腸内細菌のバランスが崩れると、便通の乱れや免疫力の低下につながることも。

・アレルギーや喘息の悪化
一部の保存料は体内でアレルギー反応を引き起こすケースがあり、喘息を持つ人や子どもには注意が必要とされています。

・肝臓への負担
保存料は体に入ると肝臓で分解されます。大量摂取が続くと解毒機能に負担をかけ、疲労感や代謝不良の原因になることもあります。


◆着色料が体に与える影響

着色料は「美味しそうに見せる」ためのものです。天然由来のものもありますが、多くは合成着色料です。
鮮やかな赤、黄、緑といった色を人工的に作り出し、食品の印象を良くしています。

問題視される点は以下の通りです。

・視覚と味覚のギャップ
鮮やかな色で「美味しそう」と錯覚させられ、本来必要以上に食べすぎてしまうことがあります。特に子どものお菓子はカラフルさが購買意欲を刺激します。

・子どもの行動への影響
欧米の研究では、特定の合成着色料と子どもの多動性や集中力の低下に関係があると報告されています。EUでは使用規制や表示義務を強化している国もあります。

・長期的な健康リスク
一部の合成着色料は発がん性の疑いが過去に指摘されており、国ごとに使用が禁止されている場合もあります。日本では基準値内で使用されているとはいえ、摂取量が重なると体への影響はゼロではありません。


◆日常でできる“賢い選び方”

私たちができるのは「完全に避ける」のではなく、「摂りすぎない工夫」をすることです。

・原材料表示をチェックする
食品ラベルには「保存料（ソルビン酸K）」や「着色料（赤◯号）」といった表示があります。見慣れないカタカナや番号が並んでいたら要注意です。

・“無添加”や“シンプルな原材料”を選ぶ
すべて無添加を選ぶのは難しいですが、パンなら「小麦粉・塩・酵母」だけのシンプルな商品を選ぶなど、できる範囲で工夫しましょう。

・手作りや自然食品を取り入れる
外食や加工食品を完全に避けるのは現実的ではありません。だからこそ、家で作れるときはなるべくシンプルに。旬の食材や自然由来の色を楽しむことが、体に優しい選択です。

・子どものお菓子選びに注意
カラフルすぎるものは要注意。ナッツや果物など、自然の甘みや色を活かしたおやつを取り入れるのがおすすめです。


◉まとめ

保存料や着色料は、食品を長持ちさせたり見た目を良くしたりするためのものですが、体にとって「余計なもの」であることは間違いありません。
すぐに健康被害が出るわけではないからこそ、知らず知らずのうちに摂取し続けてしまうのが怖いところです。

大切なのは「便利さに頼りすぎないこと」。
今日の食事で少しでも自然に近いものを選ぶ意識が、5年後、10年後の体を守ります。
“食べることは生きること”――毎日の選択が未来の健康につながっていきます。