施設 家族 考えの違い

加藤武範

加藤武範

テーマ:ケアマネジャーの役割・存在意義

サービス付き高齢者住宅に母親Yさんを預けている二人の娘さんより相談がありました。
私はYさんの担当ケアマネジャーです。
連日の暑さの為、胸の下あたりに湿疹ができている為、施設内に併設されている訪問看護師や施設スタッフから「締め付けのない肌着」「総ゴムのズボン」などの購入依頼があり、YクロやM印など購入して施設に持っていくと「こういうのではなくて…おばあちゃんが着るようなやつ…」と駄目出しされてしまった。詳細仕様不明のまま購入指示が繰り返され、探し回る時間・費用・精神的負担が大きいとの事でした。また、医師による訪問診療が月に二回入っているのに、肌荒れに関して、看護師から皮膚科受診の要請も受けていたのですが、一方で、別の施設スタッフからは「急ぎではない」との穏当な反応があり、施設内での温度差・情報差が家族の混乱を招いていると相談がありました。

ケアマネジャーの見解として、衣類について、「YクロさんやM印さんは、機能性が高く、おしゃれ過ぎるのではないか?場末のスーパーの衣類売場で売っている高齢者が着るようなタラタラしたヤツ?ではないか?施設の横にあるスーパーで売ってるんじゃないですか?」と伝えました。また、訪問診療については、「乾燥・軽い痒み等の一般的対応までが中心であり、持続する皮膚症状は専門医受診が妥当ではないか?」と皮膚科については、時間がある時に同行受診を依頼しました。
「看護師・スタッフからの備品指定や通院依頼は、入居者に無関心ではなく、状態変化に目配りが効いている証拠ではないか?また、何も言われない施設より、具体的要請がある方が観察が行き届いているのと感じます。」との見解を示すと、二人の娘さんは、ハッとした表情をされ、少し安心した様子でした。ただし、施設側の家族への伝え方や具体性の不足、緊急度判断のブレが負担増に感じる一因であった事実もあり、サービス付き高齢者住宅の責任者にも報告する旨を伝え、面談は終了となりました。
小さなボタンの掛け違い、認識の違いが、家族も施設も大きなストレスを感じる様になります。今回の様に、現施設については「何も言われない」よりも、細やかな観察に基づき家族へ要請がある点を評価しましょう!と、ケアマネが娘さんたちに声掛けをする事で、一定の安心感が醸成されました。合わせて、施設管理者にも上記の報告をしつつ、「施設の方々が一生懸命Yさんの事を考えて、対応しているのが分かりました」と感謝しつつ、「家族への伝え方、コミュニケーション方法については、一度施設内で検討してみて下さい」と軽めの要望を伝えました。こうした潤滑油になる事もケアマネジャーの重要な役割だと感じています。
家族と施設の信頼関係は、とても大切な入居継続条件です。
シミーズ

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加藤武範
専門家

加藤武範(ケアマネジャー)

合同会社福寿想

リハビリ病院で医療ソーシャルワーカーをしていた経験から、地域のネットワークとも連携。従来の福祉的な視点に捕らわれない柔軟な発想で、介護を必要としている方やその家族にとって本当に必要な介護を提案します。

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