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コラム

様々な条件の土地に理想の家を建てるにはどのように考えれば良いか

2017年6月3日

テーマ:家づくり

コラムカテゴリ:住宅・建物

用途地域・建ぺい率・容積率 住宅が建つルールを知る

 理想の家を思い描いていても、後になって思わぬ法律上のルールに直面することがあります。また、隣に高い建物が建っていたり、奥まった場所にあったりと、理想の条件が叶うことは難しいもの。土地や周辺環境の問題を克服するには、あらかじめ押さえておくべきことがあります。

 まず、建物が建つときの大前提として挙げられるのが都市計画法と建築基準法です。前者では街全体のバランスの観点から市街地の用途が定められており、住居系・商業系・工業系など計12種類の用途地域があります。例えば、第一種低層住居専用地域では建物の高さは10mまたは12mまで、建物の種類は住宅以外は小規模な店舗や事務所、小中学校など。高い建物が建つ心配がなく住環境の保全が期待できる一方、新居のプランニングもその制限を受けます。

 建築基準法は建物そのものの規模や密度に関わります。建ぺい率とは、敷地面積のうち建築できる面積の割合のこと。また、容積率とは敷地面積と床面積との割合を指し、それ以上は建築できません。前述の第一種低層住居専用地域の建ぺい率は30~60%。同じ面積の家を建てるのに、他の地域よりも広い土地が必要となるのが分かります。

 この他、道路や隣地などに応じて建物の高さが部分的に制限され、これを斜線制限と呼びます。住宅の設計ではまずはこのように様々な条件を洗い出し、最適なプランを提案できるよう知恵を絞るのです。


老後に住みやすい家は、 現在住みやすい家にも通じる


 法規制の次は実際の敷地や周辺環境を把握しましょう。地盤や道路の向きのほか、実際の様子は現地での確認が一番。平日と週末、昼と夜での環境の変化も必ずチェックします。日照を左右する方角、隣家や道路からの視線の方向を把握しながら、窓の取り方や部屋のおおよその位置が決まります。

 人通りや交通量の多い土地での防音は住宅性能で解決を。「FPの家」なら遮音性に優れているため、多様な周辺環境にも適応して家づくりの幅を広げられます。

 条件を洗い出したら、後はプロの腕の見せどころ。同じ敷地であっても工務店や建築家によって解決策は多種多様ですが、良い設計に共通することは、あらゆる条件をマイナスに捉えず、プラスに変える発想にあります。環境に難しい課題があってもまずは相談を。優れた設計者からのアイデアを待つ楽しみも、注文住宅の醍醐味のひとつです。 

山下ホームWEBサイト

この記事を書いたプロ

山下輝雄

無添加住宅・健康素材の家づくりのプロ

山下輝雄(株式会社山下ホーム)

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