家は生涯住むもの
嫌になるほど雪が積もりましたね。
昭和59年の記録を更新!
子供の時に経験してはいましたが、大人になってみるとこんなにひどい思いをするのかと痛感させられます。
コロナ自粛に、大雪とダブルパンチで、特にアパートに住んでおられる方は駐車場から出られないし、子供も外に行けずストレスが溜まるし、今年こそ家を建てようかという思いになる方も多いようですね。
そこで今回は資金計画について書いてみようと思います。
住宅を購入する際、資金計画をされない方はほぼいないですよね。
ではどのように計画されていますか?
Aさん『銀行に相談して、借り入れ可能額を審査してもらい住宅ローンを組みました』
Bさん『不動産屋さんのチラシに返済計画が記載されていたので参考にしました』
Cさん『建築会社が資金計画表を作ってくれました』
など様々な方法でみなさん資金計画をしておられますね。
ではどの資金計画のプランが正解なのかそれぞれ考えてみましょう。
◆銀行に相談する資金計画◆
金融のプロに相談すれば間違いないよね!
そう思ったAさん。
銀行に自分がいくらの住宅ローンが組めるのか、返済は幾らまでなら銀行の判断で大丈夫なのかを相談しました。
そして銀行が貸し出し可能な額で住宅ローンを組んだのですが、いざローンが始まるとだんだん返済が苦しくなってきたのです。
10年後に家のメンテナンスの時期がやってきたのですが、メンテナンスにかけられる費用を捻出できず、ごだわって作った外観が見るも無残に劣化していくこととなりました。
なぜお金を扱うプロに相談してこのような結果になったのでしょうか?
答えは、年収から算出した返済比率から導き出された借入金額なので、Aさんの家計の収支を反映されたものではないからです。
同じ年収でも、それぞれの家計の収支は全く異なります。
だからこそ適正な返済金額はそれぞれの家計で異なってくるのは当然なのです。
銀行は年収などの収入の数字を見るだけで、個々の支出を合わせて見ているわけではないということです。
◆チラシに記載されている資金計画◆
建売やセットプランなどのチラシには返済例などが載っています。
購入を検討したときに参考にされる方も多いのではないでしょうか?
Bさんもチラシに記載された返済計画を参考に、返済額から算出した住宅ローンを組みました。
しかも小さく書いてあった自己資金の部分も見逃さず、その分もちゃんと住宅ローンに含んでの計画です。
いざ契約という時にチラシには載っていない項目が・・・
そう諸経費がかかってくるのです。
銀行ローンの借り入れ時の諸経費、火災保険、登記費用、不動産の仲介手数料など大きい金額でしたが、何とか自己資金でまかなえました。
いざ引っ越ししたのですが、今度はエアコンやカーテン、網戸、食器棚など生活に必要なものがついてないではない・・・
出費がかさみ貯金も尽き、またローンを組むことになりました。
どうしてこんなことになったのでしょう。
チラシに記載してある返済例の多くは、土地と建物、外構工事の金額のみを借り入れした場合の返済例が多いのです。
そして毎月の返済額を相場のアパートの家賃に近づけた表記に調整されていることが多くみられ、
‟アパート並みの家賃で購入できます”このフレーズが購入者の心を捕まえます。
総額いくらかかるのか?
何が含まれていて、別途必要なものはどのようなものか?
しっかりと確認して資金計画を考えることが大切です。
◆建築会社が行う資金計画◆
Cさんは見学に行った先の建築会社に家の相談をしたら、資金計画をしてくれました。
返済額は現状なんとか返済可能な金額で、資金計画はとても細かな部分まで記載があり、このまま計画を進めても安心できたので、無事に土地を決め、建物も設計してもらい、すべての予算を出してもらいました。
自分のわがままで少し家が大きくなってこともあり、当初の予算よりは毎月の支払いが1万円程度多くなりましたが、何とか生活費をやりくりすれば捻出可能な程度。
契約を行い建物の打合せを行うと、材料の変更もあり少し追加工事がでましたが、それも自己資金でカバーできる範囲に抑えることに成功!
建物も完成し、新居での生活が始まりました。
住宅ローンも何とか順調に返済できていて、金利の見直しで金利が上がったときも生活費を切り詰めて何とか乗り切りましたが、子供が大学に入学したと同時に家計は火の車です。
そして教育ローンを借りて2人の子供も無事大学を卒業させたところでCさんは仕事をリタイヤしました。
しかし老後を迎えたCさんは厳しい現実に直面するのです。
老後資金がないのです!
どうしてこんなことになったのでしょう。
Cさんは家を建てることが人生の最大のイベントで、ゴールのように感じてしまっていました。
本来は住宅ローンの返済を行いながら、子供の教育資金と自分たちの老後資金の貯えをしなければいけないのに、それを住宅ローンに使ってしまったことが失敗です。
住宅だけが大きな買い物なのではなく、教育資金や老後資金に掛かる費用もとても大きなお金がかかるのです。
金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」が公表した報告書が発端で起きた『老後2000万円問題』に関して政府は火消しに大慌てしていましたが、ちょっと考えれば『老後2000万円問題』は正論であることがわかります。
◆資金計画の理想形とは?◆
Aさん、Bさん、Cさんの例から考えてみると資金計画の理想形は
『自分たち家族の家計に合わせて、教育資金や老後資金を残せるように、計画に掛かるお金をすべて含めた費用を見込んだ資金計画をする』
ということになります。
しかしながらこれが理想形というよりは、当たり前の資金計画のあるべき姿です!
でも自分たちではなかなか難しいと感じられる方は私たちがアドバイスいたしますよ!