成長因子を併用した「切らない若返り治療」
ニュースに取り上げられた今、これはむしろ正しいPRPFを知っていただくよい機会だと思うので、昨年(2022年9月23日)掲載したコラムに少し加筆してお話ししたいと思います。
PRP(多血小板血漿)にF(線維芽細胞成長因子)を加えたものがPRPFです。正直に言いまして、このFを加えることに関しては今も賛否がありますが、Fがないと効果がないということも事実です。
誤解しないでいただきたいのは「PRPは無意味」ということではありません。PRPとPRPFは別物ですよ、ということです。いわゆる、しわ・たるみの治療において充分な効果を出すにはPRPFであることが必要且つ重要なのです。
「それならFだけを注射すればいいんじゃない?」と思われましたか?それは絶対ダメなんです。あくまでPRPと混合することが肝心なのです。
さらに、加えるFの量(安全に行える量には上限があります)や注入するPRPの作成手順、注入の仕方など重要なポイントがじつはいくつもあるのです。これらを遵守しているからこそ、これまで安全に治療を行うことができているわけです。そしてその安全なプロトコルを提唱しているのがPRPF療法研究会なのです。
私の場合、実際にはFを加えないPRP単独のものやPRPFをその場面に応じて使い分けています。なので、1人の患者さんでも注入する場所によって種類を変えることが珍しくありません。勿論その必要がない(変えなくても大丈夫な)場合は一定のPRPFを用いています。いずれにせよ複数のコツがあるということです。
診察では遠慮なく聞いてくださいね。実際に治療するしないに関わらず、PRPFを正しく知ってもらうのも私の大事な仕事のひとつですから。