咬筋へのボトックス②
これらは精神性多汗または発汗とも呼ばれており、精神的に緊張する場面になると汗がドッと吹き出してきます。ただでさえ緊張しているのに汗だくになると益々「ヤバい!」となり、結果的に悪循環に陥ります。誰しも緊張すれば汗をかきますが、ここではその程度が問題となります。
その名のとおり心理面が大きく関与しているので、ストレスとできるだけ上手に付き合えるように心療内科的な治療も極めて大切だと思います。「心療内科かぁ・・・」と少々抵抗を感じると思いますが、ここは見過ごせないポイントだと思います。
当院では手や顔の多汗症に対してはボトックス注射とパースピレックスを用いて治療しています。
外科においては手のひらに対する胸部交感神経遮断術という手術がありますが、これはその治療を専門とする医師とよく相談して決める必要があります。
さて、顔汗に対するボトックス注射は表情筋に作用してしまうことを避けるため原則的に私は前額部(おでこ)のみとしています。
その際も眉毛の動きを残すために眉毛付近は注射しません。その代わり頭皮から前額部に垂れてくる汗を減少させるために生え際から毛髪内の頭皮にも注射します。
繰り返しになりますが、心療内科的アプローチも忘れないようにしましょう。



