年の瀬 恒例
60代のお客様よりお預かりした掛け軸。
「押し入れの奥から出てきたんです!」と修復の依頼を受けました。
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しみ抜き・修復完了
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もうすぐお約束の納品日。
精一杯の仕事をさせていただきました。
独り言
世間には「お宝」という言葉があります。
この仕事をしていると「お宝」って一体なんだろう?と考えることがよくあります。
この掛け軸はきっと娘さんにとって何よりの「お宝」なんですね。
1000万円以上もする絵画や美術品は世に数え切れないほど存在し、世界のコレクターが
「お宝」と称し探し買い求める。
同じ「お宝」なのですが・・・
「お宝」とは価値・評価で図れるものと、図れないものがあります。。
同じ家族でも世代が変われば「お宝」ではなくなることなど人間模様を映すこともあります。。
それでも同じ「お宝」なのです。
今月末納品日。
きっとこの掛け軸を床の間に飾りながら、ご家族と共にお母様との思い出に浸られることでしょう。
私の仕事(表具師)はその手助けを少しだけさせていただいているだけなのです。
注文時に、お客様から作品への想いを聴かせていただく機会がよくあります。
それは作品に限らず家族や兄弟、恩師・作家との思い出など様々です。
とても貴重な話が多く、それが仕事への励みにもなります。
たくさんの「お宝」との出会いに感謝の毎日です。
ただ一つ言えるのは「お宝」に同じものは存在しないということ。
捨てるのは誰にでも出来ますが、繋ぐのは本人にしか出来ませんよね。
その想いに応えるのみです!
独り言でした。