人間の薬を犬猫に使うと
冬になると多く発生するのが膀胱炎、膀胱結石などの泌尿器疾患です。
年中いつでも起きる病気だはありますが、特に猫においては冬に多発します。
症状は尿が出しにくい、何度もトイレに行く、トイレ以外で尿をする、長時間かがんでいるのにあまり尿が出ていない、赤い尿をする(血尿)、など様々ですが、いずれも尿に関わる症状ばかりです。
基本的には「肥満のメスは膀胱炎、肥満のオスは膀胱結石」というのが一般的で、太っていない子はめったにならない病気です。
やせていれば絶対ならないというものではないですが、太っているとこれらの病気になりやすいですし、治療をしても痩せない限り何度も繰り返すことが多いようです。
人間もそうかもしれませんが、太りすぎていて体に良いことはなく、いろいろな病気の原因になってしまいます。
飼い主さんが気をつけておかなければいけないことは、とにかく緊急を要する疾患だということです。
1日尿が出なければ(それが膀胱炎でも膀胱結石でも)急性腎不全になります。
2日尿が出なければ、十分死に至る可能性があるのです。
「尿は出しにくそうだけど、元気も食欲もあるし、尿の色も黄色いし。明日も仕事だから週末まで様子をみよう」などとのんきに構えていると、命取りです。
初期に治療すれば飲み薬や食餌療法で治せたはずの病気が、腎不全に進行すると何日も入院する羽目になったり、何日も通院する羽目になったりします。
ほんの1日様子をみただけで、治療費は大げさでなく10倍20倍に跳ね上がることもざらにあります。
お金だけの問題ではもちろんなく、大切なご家族であるワンちゃん(あるいはネコさん)が、飼い主さんの判断次第で命の危機に陥ることがあると認識すべきです。
20年生きると80歳になる犬猫にとって、24時間は人間にとっての4日間に相当します。
あなたの奥さん、お子さんが4日間尿が出せずに苦しんでいたら「今日は仕事で忙しいから」なんて言ってられないことでしょう。
【おしっこのトラブル=緊急事態】と肝に銘じておきましょう。