犬の外耳炎!?と思ったら
レッグ・ペルテス病(大腿骨頭壊死病)
レッグ・ペルテス病とは1歳未満のトイ・プードル、ウェスティ、ポメラニアン、ダックスフンド、チワワ、パピヨンなどの小型犬でよくみられる疾患で、特に当院ではトイプードルの患者さんが多いと思います。
これは大腿骨(太ももの骨)の股関節との接続部で血流が減少し、壊死してしまう疾患で、原因はよくわかっていないのですが、特定の犬種で多いことから何らかの遺伝的な要素が疑われています。
症状は後ろ足の跛行(歩き方の異常)で、脚を地面につけたがらず、挙上した状態で3本足で歩いたり、あるいは痛い足をチョコンチョコンとあまり体重をかけないように歩く動作です。
またこの壊死部分に強い衝撃が加わると骨折してしまうこともあり、ソファーや階段の上り下りをきっかけに急に症状が出ることもありまし、特に大きなきっかけ(倒れたり転んだり)もなくある日急に症状が出ることもあります。
基本的には治療は手術でこの壊死部分を取り除くことになりますが、手術が遅れるとどんどん患肢(発症している足)の筋肉が萎縮を起こしてしまい、手術をしても歩けるようになるために長期のリハビリが必要になるケースもあります。
ある日おうちのワンちゃんが急に足を上げていたら急いで(できればその日、無理なら次の日には)動物病院に連れて行ってあげてください。
ほとんどの症例で診断はレントゲンで可能です。
写真矢印の部分が、レッグ・ペルテス病を発症している部分で、逆の足の股関節がきれいな円状であるのに対し、不規則な形をしています。
このボコボコと変形した股関節(大腿骨の壊死した部分)が強い痛みとなるのです。
できるだけ早く診断、治療を受け、痛みのない快適な生活を目指してあげる必要があります。