1歳未満の小型犬で注意!レッグ・ペルテス
まだまだ暑いシーズンが続きますが、おうちの犬、猫、うさぎさんたちは元気も食欲も旺盛でしょうか?
暑い時期増える病気は色々あるのですが、前回コラムで紹介させていただいた外耳炎。
皮膚病。
人間でも問題になる熱中症。
そして意外と知られていないのが心不全です。
夏になると心不全になる、というわけではもちろんありません。
もともと持っている心不全が暑くなると悪化しやすいのです。
なんでだろう?と思われるかもしれませんが、これはちゃんと理由があります。
犬は汗がほとんどかけず、体温調節が苦手ですので、暑くなると水を飲んだり、呼吸を激しくしたりして体温を下げようとします。
ここで一気に大量の水を飲むと、一時的にですが、血管中の血液が増量してしまいます。
健康な犬はこれくらいの血液の増量で問題を起こすことはないのですが、心不全の犬ではそうは行きません。
心不全の犬はもともと心臓の機能が落ち、血液の循環は悪い状態(ゆっくりと流れ、血液が渋滞を起こしている状態)です。
ここで一気に血液が増量すると、さらに血管内の血液は渋滞を起こしてしまいます。
この渋滞が、弱った心臓の処理能力を超えてしまうと、血管から水分が漏れでてしまいます。
特に問題になるのが肺水腫。
これは肺の毛細血管からあふれた水分が染み出し、肺の中が水浸しになってしまう状態です。
本来酸素交換を行うはずの肺の中に水が貯まれば、溺れたように呼吸困難になってしまいます。
このような流れで心不全の犬が、夏場水を飲み過ぎて、急激に状態を悪化させてしまうのです。
小型犬で8歳以上の犬でこっそりと心不全を持っている子はたくさんいます。
日ごろ元気なので、これに気づいていない飼い主様もたくさんいらっしゃいます。
心不全の多い犬種として、キャバリア、マルチーズ、ポメラニアン、ヨークシャテリア、ミニチュアダックスフンド、シーズー等が挙げられますが、他にも日常からおやつをよく食べている小型犬では犬種を問わず、心不全を持っている子が沢山います。
おうちのワンちゃん、もちろん元気も食欲もあるでしょう。
でも、本当に心臓は健康な状態を維持できていますか?
8歳を超えたら、一度心不全がないか、検診を受けられてみてはいかがでしょうか?
暑くなってから、なんだかちょっと元気が無いかも?
時々のどにものが詰まるような咳をする?
ちょっと運動すると疲れやすくなったかも?
なんてときは、動物病院にご相談ください。
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