住みやすく、暮らしが楽しくなるコーディネートを提案（2/3）

相手の声をよく聞き、意見のすりあわせを大切に

　住みやすく、暮らしが楽しくなる空間づくりのため、松浦さんは、顧客の声を聞くことを何より大切にしています。

　「ヒアリングでは、理想の暮らし方や好みなどを確認するため、朝起きたらまず何をするのか、家族が長く過ごす場所はどこか、来客は多いかなど、機能面と心理面から多くの項目をチェックします。特に50代以上のインテリアコーディネートには、それまでの人生が表れるものなので、コミュニケーションの中から大事にすべき点を導き出します。また、夫婦で暮らす家であれば、それぞれにご要望があるものなので、お二人から話をうかがうようにしています」

　顧客の意向であっても、「お客さまの雰囲気に合わない」と感じたときには、打ち合わせを重ね、意見をすりあわせていくこともあるそうです。「そのほうが最終的にとても喜ばれます」と松浦さん。「好みを反映しながら、時代に左右されず、愛着がわく空間にできることが、プロに依頼する醍醐味だと思います」と話します。

　これまでの仕事で印象に残っているのは、70代の女性から依頼された寝室のリフォームでした。
　「亡夫が愛用したベッドも処分して、部屋はホテルライクに生まれ変わりました。壁紙やカーテンなども好みのテイストに変えたことも影響したのでしょう。20年間ほど海外のペントハウスで暮らした経験のある方でしたが、『当時がよみがえったようで、ワクワクします。生きる気力も取り戻せて、人生が変わったわ』と言ってくださったことが、とてもうれしかったですね」
　「お客さまの笑顔に、やりがいを感じます」と声を弾ませます。

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