一般のビル・マンション等の大規模修繕への考え方 - その4-
こんにちは。今回は大規模修繕計画を進めるにはどうしたらよいかをご説明いたします。
1.専門のコンサルタントに相談する
・決定にあたり、オーナーや理事会の方々は今までの通常行っている管理業務より、作業量が増加し てしまう負担についても明確にして、負担をなるべく増価させない能力のあるコンサルタント探しが 必要です。
・数社の面談と相談を行い、各種問題点(改修計画から工事完成まで)を理解できるよう、丁寧な説明 をしてくれるコンサルタントを決めましょう。
また、施工時になかった新しい技術、施工方法、材料等がありますので同時に採用することでバリュー アップにもなりますので専門家と相談するよ良いでしょう。
2.建物の現況を調査報告
現況の建物の状態を把握するために建物を診断します。調査方法として非破壊調査と破壊調査がありま す。非破壊調査には建物全体の目視、調査用ハンマーによる打診、表面仕上材等の触診等があります。
破壊調査にはコンクリートの劣化を確認するコンクリート耐性化深度調査及び現在のコンクリート強度調 査、外壁塗装、露出防水の付着力試験、タイル付着力試験等があります。
調査と並行して皆様が日常感じている事、マンションでは共用部ですが個人的に利用しているバルコニ ーにおける不具合などないか、意見をアンケートなどにより微収し、とりまとめたものを理事会で発表 し、その後、全員に報告します。このことにより、建物に係る全員の皆様に状況に関する情報が共有化さ れます。
3. 改修設計と予算書の作成
設計業務においては、工事作業がビル使用者、マンション居住者の皆様の日常業務・生活が著しく変化 することがないよう、工事工程を組み設計されます。(音出しや振動についても同様です)
修繕工事ですから、建築当初と同等な建物になりますがプラスアルファとしてのグレードアップも目指 しましょう。例えば、バリアフリー施設、防犯システムの改善などがあります。
次に設計書を元に予算書を作成します。これは、工事項目ごとに、数量を算出し、公平な一般市場価格 の単価を採用して、内訳書となります。その後、オーナー、管理組合の予算に応じて工事の範囲を決め、 1期、2期と分割されることもあります。予算については、工事費の他に予算費が必要となります。これは クラック等に対して、実際の数量が結果として違ってくることがあり、プラスマイナスの清算が行われる 為、もしプラスになってしまった時に予備費から出す必要が出てくるからです。そして、設計内容、工事 予算を全員の皆様に提示して説明し、意見調整を経た後に再度変更部分等をとりまとめてから、工事発注 となります。
次回は工事発注等の説明をいたします
株式会社東拓企画
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