分譲マンションと民泊問題
みなさん、こんにちは。
今日は肌寒いですね。体調を崩さないように気をつけたいものですね。
さて今回からは初回の内容を掘り下げて順にお話してゆきたいと思います。
今回は法律的な観点から見たマンションにおける防災・防火体制をもう少し詳しく
お話していきたいと思います。
(1)防火管理者と防災管理者
前回、防火管理体制についてご説明させていただきました。では、防火管理者と防災管理者
では何が違うのでしょうか。
①防火管理者
主に火災による被害の防止に主眼を置き、防火管理上必要な業務を行う責任者をいいます。
甲種防火管理者と乙種防火管理者がありますすが、マンションでは一般的に甲種です。
②防災管理者
特に大規模な建物(※)において火災以外の災害にも防火管理上必要な業務を行う責任者
をいいます。なお、防災管理者は防火管理者でもあるので「防火・防災管理業務の推進責
任者」であるといえます。
(2)消防計画
消防計画は、東京消防庁のホームページ(http://www.tfd.metro.tokyo.jp/)に
「消防計画作成例」としても載っていますので、一度のぞいてみると良いと思います。
ここでは、マンションでの消防計画作成についてのポイントをいくつか説明いたします。
①自衛消防組織表
自衛消防組織として、連絡班・初期消火班・避難誘導班など住民が分担する各階別
責任者(班長)を記入するようになっています。これを作成する事によって、いざと
いう時にどんな役割が必要かを認識することが出来ます。しかし、「住人の皆さんが
いつもマンションにいるとは限らない」「積極的には関わり合いたくない」等、役割
分担には悩むケースが多いようです。任命に当たっては、ある程度の割り切りも必要
かもしれません。
②居住者名簿
転居等による自衛消防組織の変更。また、マンションには高齢者・障害者・幼児等
の災害時での要援護者もいます。災害時には要援護者に配慮した、きめ細かな行動も
必要になります。このためにも、元になる「居住者名簿」が整備されていなければ対
応にも困ることになります。管理組合への提出書類に「居住者名簿」も含んでおく等
しておくと良いかもしれません。ただし、「個人情報保護」の対象になりますので取
り扱いには十分注意が必要なことと、強制は出来ないことも念頭に置いてください。
③避難訓練
消防計画に基づいて避難訓練を実施する場合、管轄の消防署で相談してみましょう
消防署員の立会いや、消防訓練用の水消火器の無料貸し出し等、細かく指導してくれ
ると思います。
また、消防の日に合わせて地域での消防訓練が定期的に行われているようでしたら、
消防計画に反映してみるのも良いと思います。
※大規模な建物
4階以下(地階は含まず)で5万㎡以上、5階以上10階以下で2万㎡以上、
11階以上で1万㎡以上の建物のこと。(いずれも延床面積)
次回は「現場での確認」について掘り下げてお話してゆきたいと思います。
株式会社東拓企画
http://www.totakukikaku.jp