中古マンションの購入のアドバイス⑥
みなさん、こんにちは。
今日はお盆真っ只中!
帰省先やご自宅でのんびりと、このコラムを読まれている方も多いかと思います。
さて本日は中古マンション購入のアドバイス <番外編>としまして、地震に特化した内容でお送りします。マンション選びをされる際はこれに他の条件も加味して検討されるといいですね。
① 免震性能を有するものを選びましょう
この一点だけでほぼ完全です。なお、「制震」、「耐震」とは違うのでご注意。
装置の交換など維持費に多少の割高感はあります。
② 建築年を確認しましょう
1981年(昭和56年)以降に建築されたものを選ぶ。この年に建築基準法の改正にて、
構造基準が新しくなりました。いわゆる新耐震と呼ばれているものです。
ただし、確認許可のズレも考えられますので、念のため、構造計算書にて確認しましょう。
また、以前の建物については耐震補強のされているものを選びましょう。
③ 液状化不安はボーリング試験による柱状図で確認して解消しましょう
設計図書の構造図でボーリングデーターを見ることができます。
地下水位が表層近くにあり、表層から数メートル以上の砂類の地層でN値の低い場所は
液状化することが予想されます。マンション本体への影響はあまり無いのですが、
外構や建物周辺に埋没されたライフライン(電気・ガス・水道・下水道)には大きな影響を
及ぼしますので、結局、住居としての機能が失われます。
④ 建物の形状はどうなっていますか?
建物形状で、横に長いもの、L型のものにはエキスパンジョイントで適切な処置が
されているものを選んでください。先日北関東で2棟確認しましたが、見事に役目を
果たしていました。
⑤ 壁に構造スリットが適切に施工されていますか?
ぜひ適切に施工されているものを選んでください。これは構造図と現物の照らし合わせが
必要です。残念なことに施工忘れや、施工状態の悪いものがあります。クラックの発生や
雨漏りの原因になります。
⑥ 1階が駐車場や店舗になっているものは避けましょう
2階以上の住戸と1階の壁の位置などがあまりに違っていたり、大空間だったりすると、
上階とのバランスが悪く、力の流れもスムーズではないからです。計算上成り立っていても
なるべく避けたほうがよいでしょう。
⑦ 構造はどうなっていますか?
最近は目にしませんが、1階から途中階までSRC構造、上階はRC構造の建物はなるべく
避けたほうがよいでしょう。阪神大震災では区切りの部分で崩壊していたと記憶しています。
⑧ 住戸の玄関ドアが対震型のものを選ぶ
地震時に壁の変形などで玄関ドアが開かなくなってしまうことがありますので、
必ず開けられるドアであることを確認しましょう。
⑨ 造り付けの吊り戸棚の安全性は大丈夫?
台所などの造りつけ吊り戸棚に、耐震ラッチを採用してあるものを選びましょう。
地震時に、扉が開いて物が飛び出さないようになっています。もちろん、ご自身で購入して
取り付ける場合もきちんと確認してみることを忘れずに!
⑩ 管理組合の防災意識について確認しましょう
これまで組合として取り組まれていなくても、今回の東日本大震災を体感して、
何をどうすべきか問題点も把握しやすくなり、今後取り組む予定の組合も多いのでは
ないでしょうか。
今回は地震に特化した内容でお送りしましたが、いかがでしたでしょうか?
東日本大震災から5ヶ月。
多くの亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、
被災された皆様が一日も早く笑顔を取り戻せるよう心から願っております。
株式会社東拓企画
http://www.totakukikaku.jp