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R4年2月28日判決言渡しで㈱シレオ(代表宮上元伸)らの「詐欺が確実に認定された!」

大森孝成

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テーマ:事件番号 令和元年(ワ)第12477号 

原告:A(当時82才のおばあちゃん、独り身)
被告:㈱シレオ(元商号:ゲッツインターナショナル 前商号:フーズ/fuu'z)(代表取締役宮上元伸)
   ㈱テクノプロパティ(前商号:ユニオンフィナンシャルサービス)(代表取締役辻祐一)
   ㈱半蔵門不動産(代表取締役宮上元伸)ら

事件の概要:平成30年8月子なく夫に先立たれ独り身のA氏(当時82才)は自宅(マンション区分)が管理費滞納により管理組合から差押えを受けた。Aはこの事態を回避すべく別の所有不動産を担保に融資を受け返済しようと思い立った。タイミングよく郵送されてきた被告らのDMはがき「不動産担保ローン」にすがろうと、被告らに相談したところ、融資ではなく自宅の売買に誘導され所有権を移転、Aは自宅を賃借にさせられ、そして収益物件として第三者に転売されてしまった。 Aは今でも高い家賃を払い続けている。

判決の要趣:被告らは原告の望む融資とはかけ離れた方向に誘導し、著しく低廉な価格で所有権を被告半蔵門不動産に移転させ同不動産をだまし取ったと認めることができる。
被告ら(転売先除く)はそれぞれ詐欺行為に重要な部分に関与し、その実現に不可欠な役割を担っているというべき共同不当行為が成立する。
被告ら主張は「融資不能は合理的な理由とはいい難い。」「主張は不合理。」「非常に不自然。」等々と否認され、最後に被告らの主張は「信用できない。」と断じた。
なお被告宮上元伸個人については一連の共同不当行為の共謀に加わった可能性がないとはいえないが、証拠上(不充分)直ちに個人の不当行為責任を問えない。と宮上個人の責任は否定されたが、控訴審で引き続き争われる。

コメント)被告らは融資から売買への誘導という手法で平成18年頃から不動産の騙取を繰り返してきたが、今までの20件超の事件では証拠不充分で詐欺認定はなされず、「暴利を貪り公序良俗に反する。従って契約は無効」が精一杯の判決でした。しかし今回初めて完璧な判決「不動産をだまし取った詐欺」などと明確に認定された画期的な判決です。

なお、㈱シレオは宅地建物取引業免許の廃止を届出、㈱テクノプロパティは貸金業登録を東京都に返上した。

但し、新たに会社(B社・S社)を新設、同様な生業が継続されることも考えられ ‘’要ご注意!です。

記:大森孝成

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大森孝成
専門家

大森孝成(宅地建物取引士)

合資会社大誠企画

自ら経営者として多額の不良債権を抱えながら、それを乗り越えてきた経験を生かし、債務者を救うために事業再生アドバイザー、任意売却のコンサルタントとして活躍。

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