R4年2月28日判決言渡しで㈱シレオ(代表宮上元伸)らの「詐欺が確実に認定された!」
債権放棄の反対言葉に債務免除があります。債権者から借入金・買掛金・未払金等の債権を放棄されますと、債務者は債務を免除されたことになり利益を受けることになります。「返さなくて良い」のお墨付きを貰うと原則として債務者である法人は益金として法人税に反映され、また個人は一時所得として所得税に反映され申告することになります。
つまり「債権放棄」「損切り」をしてもらい「よかった!よかった! これで債務がなくなった!」と喜んでばかり言っていられないことを知っておいて下さい。
返済などの資金繰りに追われている状況下で、正にホッと安堵する喜ばしい出来事ですが、これは「知らぬが仏!」次元の認識で、実は税問題をクリアーしなければ本当の意味の安堵にはならないのです。
債務者は債務免除益という「経済的な利益」を得たことになり税法上の課税対象になる可能性があるからです。
何のことない! 気が付いたら新たに「国という時効のない債権者が新たに現われた!」ということにならないよう債権放棄を受ける前に専門の税理士によく相談し、税の理解と方法論について充分に研究した上で債権者と交渉することをお勧めします。
基本的には相手である債権者が債権放棄するということは債務者の状況が損金処理できる税法上の貸倒損失計上の要件を満たしていると判断したからだと推定できます。つまり債務者に返済能力がないから放棄するわけで債務者には「担税力がない」(税金を払う経済的能力がない)ことを意味していることも推定できます。
従って、このような場合には多分該当する次の通達「債務免除益の特例」の一部を参考までに転記しておきます。特例を使うときは申告が前提であることもお忘れなく!
なお、抱えられている内容、放棄を受ける債務の性格等が個々により異なります。こんな筈ではなかったという状況にならないよう、必ず専門の税理士に相談されますように!
【債務免除益の特例(国税・基本通達(36-17)】
債務免除益のうち、債務者が資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であると認められる場合に受けたものについては、各種所得の計算上収入金額又は総収入額金額に算入しないものととする。但し次に掲げる金額(次のいずれにも該当するときはその合計額)についてはこの限りでない。
①当該免除を受けた年において当該債務を生じた業務(以下「関連業務」という)に係る各種所得の金額の計算上の金額(当該免除益がないものとして計算した場合の損失の金額をいう)がある場合 当該損失の金額
②法70条〔純損失の繰越控除〕の規定により当該免除を受けた年において繰越控除すべき純損失の金額(当該免除益を各種所得の金額の計算上収入金額又は総収入金額に算入することとした場合に・・・繰越控除すべきこととなる純損失の金額をいう)がある場合で、当該純の金額のうち関連業務に係る各種所得の計算上生じた損失の金額 当該繰越控除すべき金額の内、当該損失の金額に達するまでの部分の金額
以上、理解し難い専門的文面ですが、基本的には債務免除益は既に使っちゃった「形式上の所得」であるので、このような状態の債務免除益については限度を設け積極的に課税することを避けようという有難い趣旨のようです。
この特例を充分に理解され、くれぐれも間違いのないよう対応してください。そして納得した上で真に安堵できる状況を作るべく頑張って頂きたいと思います。
(付記) 税理士でもない者が税のことを記述してしまいました。実は私の仕事は税法抜きでは進められない案件が多く、例えば譲渡税・二次納税義務課税・債務免除益課税等々で、その都度税理士先生に相談や確認をして間違えのないよう行動しているつもりです。一方でそれぞれの案件は折角の勉強のチャンスでもあり、自身としてその根拠等につき得心したくて税務署相談室等に出向き匿名で再確認したりしています。
つまり「私は税理士ではありません」のでそのことにつきご了承下さい。またご要請あれば私が推奨する税理士先生をご紹介いたします。
以上 記;大森孝成
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