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緊急提言:安易に診察を控えないで!

森田涼子

森田涼子

テーマ:社会保険の基礎知識

安易に診察を控えないで!



コロナ第7波で医療がひっ迫しているとのこと。
私の周りでもコロナ感染者が目に見えて増えているので、「若者や軽症者は診察を控えてほしい」「みなし感染として感染者数にカウント」など、医療従事者の一部から声があがっているようです。
医療従事者の気持ちはよくわかります。質の良い医療を届けたいけれどそれが無理だからという理由と思います。私の近くにも医療従事者がいますので、日々疲弊していく様子は目の当たりにしています。

ですが!
若者や軽症者の中には、現役でお仕事をされている方が多いかと思います。
もし健康保険の傷病手当金(※)を受けることになると、医師の意見書が無いともらえません。治ってから病院へ行ったところで「あの時、コロナでした」なんて意見を書ける医者はいないと思います。会社を欠勤し、それについての給付金をもらうなら、リアルタイムでの受診が必要で、療養していて仕事ができない事を証明しなければならないのです。

傷病手当金を受けるためにはリアルタイムの受診が必須です



今、医師の意見書をもらってくれと言っているわけではありません。診療して「足跡をつけてほしい」のです。傷病手当金の書類を整えるのは後でも構いません。

では給付する側の健康保険が、医師の意見書無くても給付金出すかといったら、それはあり得ないです。健保の財政はどこも苦しいので、要件が緩和されることは難しいと思います。

会社から「医師の診断が必要」というのは、この傷病手当金のためであることが多いかと思います。
就業規則に定める「医師の診断書提出」は、事業主等の裁量でどうにかなったとしても、
傷病手当金のため、社会保険の手続きはどうにもならないという点ご理解いただけたらと思います。

あとは、コロナと確定診断するだけの医療体制を整えてもらえるのか、(抗原検査の結果だけなら、歯科医師、薬剤師、看護師でもできそうです)医療の世界の話はわからないので勝手なことを書きますが、
少なくとも医療体制の変化が求められていることだけは確かと感じる今日この頃です。

縦割り行政の悪いところかと思います、国には何としてでも頑張ってもらいたいです。

※傷病手当金とは
 健康保険の現金給付。健康保険の被保険者が私傷病(病気・ケガ)のために働くことができず、会社を休んだ日が連続3日以上あり、4日目以降休んだ日に対して支給されます。休んだ期間に年休等で傷病手当金より多い額の報酬があった日は支給されません。
 
社会保険労務士 森田涼子

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森田涼子
専門家

森田涼子(社会保険労務士)

社会保険労務士オフィスもりた

向い合った方がお客様。お客様目線での問題の早期解決を第一としています。現場経験豊富だからできることであり、企業・社員双方にとって風通し良い企業作りの構築、紛争の未然防止を目指します。

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