働くうえで大切なこと

並木将央

並木将央

テーマ:成熟社会の理解度アップ!

現代のビジネス環境は複雑で、競争が激しいと言われています。その中で成果を出し、自分の価値を評価してもらうためには、単に努力するだけでは不十分です。特にサラリーマンとして働く場合、自分自身の役割や環境を理解し、適切な戦略と実行力を持つことが求められます。本記事では、働くうえで大切だと考える5つのポイントについてお伝えいたします。

1. 「顧客は誰なのか」を明確にする

働くうえで最初に意識すべきは、「誰のために仕事をしているのか」を明確にすることです。サラリーマンにとって「顧客」とは、外部の取引先だけでなく、自分の上司やチーム内の同僚である場合も多いです。顧客を理解することで、求める価値を提供しやすくなります。上司が重視する点を把握したり、同僚の作業を支援したりすることで、チーム全体の評価を上げることができます。この視点を持つことで、評価者にとって「期待以上」の働きを実現することが可能になります。

上司が数値化された成果を求めるタイプの場合、タスク完了報告だけでなく、具体的な進捗データや予想達成率を報告することで信頼を得やすくなります。また、同僚が関わる業務では、適切なサポートや配慮を行うことで、周囲が動きやすい環境を提供できます。誰が自分の仕事の価値を評価しているかを見極めることで、より戦略的に行動できます。

このように「顧客は誰か」を意識することで、自分の成果が正当に評価されるだけでなく、職場全体の関係性を改善しやすくなります。自分が何のために、誰のために働いているかを明確にすることが、より良い結果を出す第一歩となります。



2. 敵を見つけること

次に、働くうえで大切なのは、「自分にとっての敵」を明確にすることです。ここで言う「敵」とは、単に対立する人や競争相手を指すだけでなく、自分の目標達成を妨げる障害や課題を含みます。敵を特定することで、どこにエネルギーを集中すべきかが明確になり、より効率的に行動することができます。

職場の敵には、外部と内部の二種類があります。外部の敵としては、競合他社や市場の変化が挙げられます。たとえば、競合が新たなサービスを展開している場合、それが自社の市場シェアを脅かす要因になることがあります。この場合、競合の強みを分析し、自分たちの優位性を見つけることで対策を講じることが可能です。一方、内部の敵には、チーム内の非効率的な業務フローやコミュニケーションの欠如があります。これらは一見すると大きな問題に見えないこともありますが、日常のパフォーマンスに大きな影響を及ぼすことがあります。

さらに、敵は時に無形の形で現れることもあります。「曖昧な目標設定」「時間管理の甘さ」「優先順位の不明確さ」、そして「空気感」などです。空気感とは、決まりがあるわけではないけれど雰囲気で許されてきたものを指します。これらは、目に見えない障害として業務の効率を下げる要因になります。こうした無形の敵を認識し、適切に対処することが重要です。

敵を見つけたあと、それをどのように克服するかも鍵となります。まずは、敵をリストアップし、影響度や緊急性に応じて優先順位を付けることが効果的です。そして、リソースを適切に配分することで、敵への対応を効率的に進めることができます。たとえば、競合の動向を把握するために市場調査を強化したり、内部の課題を解決するためにチーム内のミーティングを増やしたりするなどの具体的なアクションが考えられます。

敵への対処法としてもう一つ有効なのは、「敵を味方に変える」という視点です。競争相手と連携することで、新しいビジネスチャンスを生み出すことができます。さらには、内部の課題を改善する過程で、チーム全体の生産性を向上させることも可能です。このように、敵を単なる脅威として捉えるのではなく、成長の機会と捉えることで、よりポジティブな結果を得られるでしょう。

3. 戦略的に考える

次に、働くうえで大切なのは、目標達成のために戦略的に考え、行動することです。職場ではすべての競争や対立に参加する必要はありません。むしろ、自分にとって有利な場を選び、独自の価値を提供することで、競争そのものを避けるのが賢明です。他者と差別化されたポジションを築くことで、自分の働きが評価されやすくなります。

たとえば、スピードを競う環境であれば品質を武器にする、もしくは、新しい技術やアイデアを提案することで、他者とは異なる形で貢献できます。また、対立が生じた場合は、相手へのリスペクトを基準として目的・ゴールを定めてから、冷静に対応し、相手の立場を尊重する姿勢を示すことが重要です。これにより、感情的な衝突を避け、建設的な解決策を見つけやすくなります。

戦略を立てる際には、短期的な成果だけでなく長期的な視点も必要です。大きなプロジェクトを一気に展開するのではなく、小さな市場で試験的に導入する「スモールスタート」を採用すれば、低リスクで成功の要因を見つけることができます。また、競合の動向や市場の変化を継続的に観察し、状況に応じて計画を修正する柔軟性も求められます。

このように戦略的に考えることで、自分の努力を無駄にせず、より効果的に目標を達成できるようになります。短期と長期のバランスを意識しながら行動することが、効率的かつ持続可能な成果を生み出す鍵となります。

4. 実行力を持つ

戦略を立てても、それを実行に移さなければ成果には結びつきません。実行力とは、計画を現実にする力であり、計画が進む中で生じる問題にも柔軟に対応する力を含みます。そして、継続的に行動し、成果を出し続ける忍耐力も実行力の一環です。

多くのタスクを抱える状況で、全てを同時に進めようとすると、どれも中途半端に終わる可能性があります。このような場合には、優先順位を明確にし、重要度や緊急性に応じてタスクを分類することが必要です。一つ一つのタスクを小さなステップに分解し、それを着実に完了させていくことで、全体の達成感を得ることができます。

問題解決能力も実行力の一部といえます。予定通りに進まない場合や、予期せぬトラブルが発生した場合でも、冷静に対処し、必要に応じて計画を見直す力が求められます。リソースが不足している場合には、優先順位を再設定し、外部からの協力を得るなどの対応策を迅速に講じることが重要です。

また、現状動かなくなったタスクやプロジェクトに対しては、捨てるでも諦めるでもなく、一度「寝かせる」「脇に置く」といった対応を取ることも有効です。時間を置くことで、新たな解決策や進め方が見えてくる場合もあります。

さらに、実行力を高めるためには、日々の行動を振り返る習慣を持つことも有効です。毎日の終わりにその日の成果や改善点を記録し、次の日の行動計画を立てることで、着実に成長することができます。このような小さな努力の積み重ねが、長期的な成果に繋がります。



5. アピール力を磨く

次に、働くうえで大切なのは、アピール力です。自分の成果を正当に評価してもらうためには、それを適切に伝えるスキルが必要です。数字やデータを活用して具体的な結果を示すことが、評価者の理解を深めるための重要なポイントです。そして、成果を伝えるタイミングや方法にも注意を払い、相手が受け取りやすい形で伝えることが求められます。

プロジェクトが成功した場合、「売上が〇〇%増加し、コストを△△万円削減しました」といった具体的な成果を示すことで、相手に明確に伝わります。それにプラスして、グラフやチャートなどの視覚的なツールを活用することで、説明の効果を高め、評価者の記憶に残りやすくなります。

成果をアピールする際には、「タイミング」と「簡潔さ」が重要です。忙しい上司に説明する場合、長々と話すのではなく、事前に要点を整理し、短時間で伝える準備をしておくことが効果的です。さらに、成果をアピールする際に、感謝の言葉を添えることで、相手にポジティブな印象を与えることができます。

そして、一番重要なのは「感情を込めて伝えること」です。良い結果なら笑顔で喜びを表し、問題が起きているなら悩み抜いて疲れていることや助けてほしいという思いを素直に示すなど、事実だけでなく感情も伝えることが評価者の心に響きやすくなります。

アピール力を磨くことは、自分のキャリアを発展させるための重要なスキルです。適切に成果を伝えることで、組織内での存在感を高めるだけでなく、次のプロジェクトや昇進の機会を得る可能性も高まります。成果を効果的に伝える習慣を身につけることで、より充実した働き方を実現できます。

まとめ

これらの5つのポイントを日常業務に取り入れることで、効率的かつ戦略的に働けるようになります。それぞれの要素を実践することで、評価される働き方が自然と身につくでしょう。成果を出し続け、それを適切にアピールすることで、信頼とキャリアアップに繋がる働き方が実現できます。

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並木将央
専門家

並木将央(経営コンサルタント)

株式会社ロードフロンティア

人口減少に伴う「成長社会」から「成熟社会」という社会の大きな変化に対応した経営変革を支援。人材獲得、人材育成、業務効率化、資金繰り、売上UPなどの課題を同時解決するコンサルティングサービスを提供。

並木将央プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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