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2020年の振り返り
2020年は新型コロナウィルス(以下、「コロナ」)の世界的な拡大により、様々なことが変わりました。ニュースによると世界全体だとコロナの新規死者数は、平均1日あたり1万人余りとのことです。主にアメリカでの被害が多いようです。さらに、ウィルスは常に変異をしており、月に1~2回程度のペースで変異を繰り返すそうです。イギリス、南アフリカ共和国で見つかり、日本にもやってきている変異種は、これまでよりも最大70%感染性が増加する恐れがあると言われています。この変異種が拡大すると、ますますコロナの影響は大きくなることが懸念されます。
コロナの影響で世界経済が停滞したと一般的に言われますが、経済を停滞させたのはウィルスが原因ではなく、個人消費の動向が主因です。個人消費は外出行動と雇用・所得環境に左右されます。経済を動かしているのは、人々の思惑です。
人類滅亡は起こらないと高を括るのはよくありませんが、ウィルスは人類を滅亡させたら生きていけないので、落ち着くのをただ待っているのも経営者としては危険です。
ウィルスによる致死率が低く、実被害の少ない日本ですが世界経済同様日本経済にもコロナショックは起きています。交通産業、外食産業、洋服産業に大きな影響を与えていると報道されていますが、世界経済が落ち込んだ理由と同様に、自粛などで人々の行動が変わったことにより消費が変化したからです。
日本の経営破綻状況とコロナ禍でも好調な企業の理由とは?
コロナ関連の経営破綻は、ニュースによると2020年2月からの累計で、全国で831件だそうです。うち、負債1,000万円以上は794件(倒産726件、弁護士一任・準備中68件)にも及ぶとのこと。経営破綻で最も件数の多い飲食業における倒産(法的整理かつ負債1000万円以上)は、帝国データバンクによると2020年は780件と過去最多。その中でも、最も件数の多い飲食業は、外食事業を展開している上場企業の8割弱が前年同月下回っているという結果が出ています。連日連夜、忘・新年会客などで賑わうはずの飲食店が忘年会の自粛や営業時間短縮要請によって、昨・今年は異例の様相を呈しています。
苦戦している飲食業界の中でも回転寿司業界は全体的に好調だそうです。特に、周りがマイナスの中、くら寿司はプラス41.9%と好調で、スシローも前年比2.9%増で過去最高をたたき出しているとのことです。しかし、くら寿司ほどの業績向上は珍しいです。その理由として老若男女に大人気の『鬼滅の刃』とのコラボや、「GoToEat」キャンペーンで実質0円での食事が話題となったことはもちろん大きいといえます。しかし、コラボもキャンペーンもくら寿司に限ったことではないので、他にも理由があると思いませんか?
私は、くら寿司がコロナ禍でも業績を大きく伸ばせたのは、コロナ前から業界先駆者として進めてきた寿司カバーをはじめとする衛生対策が、「安心に外食できる」というブランドを構築してきたからだと考えています。そのブランドが顧客のマインドシェア獲得に成功し、顧客から高い支持を得ています。
自社を強めている企業
日本よりもコロナの被害が大きいアメリカで、Amazonは苦境に立たされた航空会社から通常より安価で自社用航空機を11機購入したと今月発表がありました。リース以外に航空機を所有することにより、空輸ネットワーク「Amazon Air」のサービス強化を狙っているようです。同社はこの他にも、2020年9月にドローンによる配達サービス「Prime Air」が連邦航空局に認可をもらい、12月に自律走行可能なロボットタクシーを発表するなど、空輸以外の輸送技術も実現に向けて開発の推進を行っています。
トヨタ自動車株式会社は、2020年末に閉鎖した東富士工場(静岡県裾野市)の跡地(約70.8万m2)を利用して、スマートシティの実証都市「Woven City(ウーブン・シティ)」を今年2月には着工し始めるそうです。NTTをはじめとするパートナー企業や研究者と連携しながら、ロボット・AI・自動運転・MaaS・パーソナルモビリティ・スマートホームといった先端技術を人々のリアルな生活環境の中に導入・検証出来る実験都市を新たに作り上げていくと発表しています。
このように、両社とも守りにはいるのではなく分散投資をして、次を見越して整えていることが伺えます。
2020年はコロナの影響によって打撃を受けた企業が多かったです。経済が打撃を受けるのは人々の行動が変わったからです。ビジネスに正解はなく、あるのは人の思惑だけです。今まで正解だと思えていたビジネスモデルが、今回のような人々の行動の大きな変化では立ちいかなくなってしまいます。だからこそ、どんなに事業がうまくいっていたとしてもビジネスは「選択と集中」をせずに、「分散」させて行っていくことが重要なのです。守りに入るのではなく、次を見越して整えることが肝要です。また、ピンチのときこそ、マインドシェアが活きてきます。
2021年を経営する上で外せない大事な9つのポイント
1.消費者の共感を得る
これからは共感の獲得が必要です。人々の共感を得るためには、情報をどう提供していくかがとても大事になります。共感という磁石でくっ付く顧客を見つけましょう。
2.M&A・アライアンスを進める
チャレンジしたい分野はあるものの、人員を割くことまでは出来ない場合などは、すでにビジネスを始めている企業や人とうまく連携し、お互いにWin-Winの関係を築きましょう。
3.ビジネスを変えずともビジネスモデルを変える
いままでのビジネスを捨てる必要はありません。ビジネスモデルを変更、もしくはこれからの成熟社会のためのビジネスモデルを考えていけばいいのです。これまでの提供方法や販売方法を変えてみましょう。
4.人がやりたくない仕事をITで置き換える
人件費削減のためにテクノロジーへの投資をするのではなく、人のやりたくない作業をテクノロジーで置き換え、その分、人の育成・教育に力を入れましょう。
5.顧客満足度はもちろんLTV・マインドシェアも高める
人間同士の情報はシェアされていきます。どうやって周りの人に覚えられ、展開され、共有してもらうかがポイントです。身近な人のLTVやマインドシェアを地道に高めていくことに重視しましょう。
6.社員を大事にする。感情の管理を行う。自己実現を手伝う
進捗管理は不要です。会社が社員の価値観や考え方を理解し、最大限のパフォーマンスを引き出せるようになりましょう。
7.ビジョンからは絶対にブレない
ビジョンが一致していないと社員はすぐに離れてしまい、ビジョンと現実が乖離していると社員は納得しません。
8.選択と集中は危険、分散していく
本業できちんと稼げているうちに新しいビジネスを試し、次の足の置場を決めましょう。正解がわらかない、うまくいくかわからないのでリスクを避けるために分散するという考え方を根付かせることが必要です。
9.チームプレイではなくチームワーク
チームワークを意識しながら仕事を進める体制が適しています。自分の仕事と枠を決めるのではなく、他の人にでもできるように、ITやマニュアルによるシステム化を目指し、仕事の越権行為を許せる組織をつくりましょう。
そもそも経営とは?
ビジネスをどうしていくかだけが、経営ではありません。マーケティング、人材、財務、内部プロセスの4分野が重要です。売ることばかりに注力せずに、ITやAIを使って楽しく仕事ができるような環境を整えていったり、自社サービスをより充実させるために投資をしたりして、内部を強めることに目を向けてみるのも良いでしょう。
無視できないのが政府
次を見越した戦略を立てるために知っておきたいのが政府の動向です。下記は、昨年7月に閣議決定した内容をアフターコロナに向けて立てられた12月発表の計画の抜粋です。政府が進めようとしている方向性は、時代の進む方向となる可能性が高いうえに補助金や助成金が出やすいので、ビジョンに合うのであれば取り入れてみると良いです。
・労働参加率と労働生産性の向上
・脱炭素社会の実現
・兼業副業の定着
・M&Aを含む事業継承の促進
・DXの投資促進
・大企業と中小企業の連携促進
・イノベーションへの投資の強化
・自動配送ロボットの制度整備
・ドローン目視外飛行の実現
・地方創生に資するテレワーク推進
・東京一極集中型から高く連携型の国づくり
・コーポ-レートガバナンス改革が企業価値を高める
DXは必須となる
今後、特に対応していかなければならないのはDX化です。政府は「デジタル庁」を2021年9月に発足するくらい注力しています。経済産業省が発表した「DX推進ガイドラインVer.1.0(平成30年12月)」によると、IT専門調査会社のIDC Japan 株式会社の定義を用いて、下記のように定義しています。
DXとは・・・
「企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネス・モデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」
DXについては、こちらで詳しく記述しておりますのでご覧ください。
まとめ
コロナ禍はテクノロジーと新たな働き方を融合させ、これまでの会社像とは違う姿を築こうとしています。時代が変わったのだから自分たちの在り方も変えなければなりません。長年続いてきた「固定」「集合・集中」「恒常」から、「単発」「分散」「臨時」へと切り替わっていきます。これまでの常識にとらわれず、柔軟な対応こそが成熟社会のビジネスシフトへの要所となります。