プライベートクレジット「投資不適格」へ格下げ!KKR系ファンドにムーディーズが

安東隆司

安東隆司

テーマ:あまり報道されないニュース

ムーディーズは2026/03/23、FS KKRキャピタル(FSK)の格付けを「Ba1」に引き下げました。
この格付は投機的水準(ジャンク級)です。
言い換えれば、投資不適格級の格付けです。

ジャンク級の格付け、「投機的」

投資家が投資を行う際に、「投資適格」の格付けを持っている商品を選好するケースがあります。
その基準に満たないものが投機的水準(ジャンク級)です。
「投機的要素がある」ので、リスクが高いですよ、ということです。

投資不適格への格下げで売却。しかし売却できない懸念も

投資適格にしか投資を行わない投資家は、格下げでジャンク級に下がれば、売却する方針になるでしょう。
一方で、プライベートクレジット市場には解約の嵐が吹き荒れています。
流動性の低いプライベートクレジットファンドは、四半期ごとの資金引き出しを発行済み口数の5%に制限する場合が見られます。
すると、解約したくても解約に応じてくれない、という事象が起こりうることが予想されます。

当初、投資適格が、不適格になることは十分起こりえる

市場動向や様々な変化で格付けは変化します。
投資決定した時に投資適格であっても、その後不適格になることは十分にあることなのです。

リーマン時にも問題になった「流動性」=換金性

そこでの問題は、解約できない資産への投資です。
プライベートクレジットや、ヘッジファンドは流動性に欠ける商品がほとんどなのです。
格下げのリスクを考えれば、格下げ後に換金できない資産に投資することをためらうべきでしょう。
しかし、販売員のセールストークを信じた投資家は、このような局面で「これは、まずかったかも?」と気付くのです。
いわゆるリーマンショックと呼ばれる金融危機が2007年以後に発生しました。2008年にも「解約したくても解約できない」という事象が発生していたのです。

プロ投資家がETFの優位性に気づく。流動性の高さ!

2008年の金融危機で、株式も債券も下落していく局面を迎えました。そして、ヘッジファンドや様々なファンドで解約ができない事態が発生しました。
そのような局面でも、換金性を持っていた商品がETFです。(注 全てのETFを指すものではありません)
ETFは市場に上場しており、相対で買手を探さなければいけなかった非上場商品と異なり、換金ができたケースが発生したのです。
 これを機に、プロ投資家はETFという商品の流動性の優位性に気づくことになったのです。

販売者のコメントは「実は内容が悪い」とは絶対に言わない

FSKの広報担当者は電子メールで送付した発表文で、「今回の決定にかかわらず、FSKの状況は依然として良好だ」とコメント。「負債構造は強固かつ分散されている」とし、「投資先企業への支援を継続し、現在の市場環境を乗り切ることが可能だ」とした。

出所:Bloomberg 2026/03/24 『KKR系プライベートクレジットがジャンク級に-資産の質悪化で格下げ』

格下げという事態に陥っても、ファンド側は投資家の引き留め工作を試みます。
ホンネでは「もう、ダメだ」と仮に思っていたとしても、自社の商品を「もう、止めて解約した方が良い」とは、まず言わないのです。
販売者の言うことを鵜呑みにしてはいけないのです。そしてそれは、「世界最大の~」と言われる会社であっても、妄信することは危険なのです。

販売者は、わざわざセールスしにくくなる、「不都合な真実」を述べないのです。
 また、メディアも広告主に忖度して悪いニュースを積極的に伝えることを期待しにくいのです。

リスクをわかった上で、高いリターンを期待して投資したのなら、仕方がないでしょう。
しかし情報弱者が販売員のセールスに乗って投資をし、結果的に失敗してしまうのは、気の毒だと思うのです。

なお、あなたがアドバイザーだと思って取引している人のほとんどは販売者です。
そして運用の経験もなく、セールスしている商品のリスクを深く理解しているとは言えない場合が多いと思います。


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「あまり報道されないニュース」として記事の執筆をし続けてきましたが、大きな損失が出るタイミングで「ヤバいニュース」として報道されるようになってきます。

筆者のプライベートクレジットへの警鐘は2025年6月から特集をしています。
過去「プライベートクレジットに投資する前に知っておくべきことシリーズの特集は下記リンクから参照可能です。

(1)サブプライム構造と同じか?
(2)その会社の格付を信用して大丈夫?
(3)損切り実施の動きも
(4)米国では逆風か?
(5)人気は本当なのか?

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  実際に発生している事柄の報道を引用しつつお伝えしました。
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安東隆司
専門家

安東隆司(投資顧問)

おカネ学株式会社 Reliable Investment Advisors Japan Co.,Ltd(英文名称 略称 RIA JAPAN)

富裕層の資産の管理や運用、承継などを行う。売買手数料0などお客様と利益相反の少ないサービスを追求。また、海外ETFを中心とした資産形成の知識・経験が豊富。テーラーメードの投資助言を大切にしている。

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