プライベートクレジットに投資する前に知っておくべきこと(2)その会社の格付を信用して大丈夫?
プライベートクレジットファンドを解約請求しても、半分しか認められないケースが発生しています。
モルガン・スタンレーの顧客向け書簡によると、総投資額が約80億ドル(約1兆2700億円)に上る「ノースヘイブン・プライベート・インカム・ファンド」は、投資家からの第1四半期の請求を受けて約1億6900万ドルを返還。これは請求額の46%に相当する。
同ファンドは四半期ごとの資金引き出しを発行済み口数の5%に制限。一方で、投資家は約11%の償還を求めていた。
一方、クリフウォーターが運営する資産規模約330億ドルの「クリフウォーター・コーポレート・レンディング・ファンド」は、第1四半期の償還を7%に制限した。投資家の償還請求は過去最高となる約14%に達していた。
出所:Bloomberg 2026/03/12 『モルガンS、プライベートクレジットの償還制限-クリフウォーターも』
プライベートクレジットで投資家の*解約が増加し、解約制限される事象が発生しています。
(注* 本稿では記事中で一部、償還請求を解約と表記します)
バンク融資ファンドで解約に上限-償還請求が急増』
モルガン・スタンレーのプライベート・クレジットファンドには、解約請求が全体の約11%あり、実際の解約は5%に制限したものです。
クリフウォーターでは解約請求が全体の約14%あり、実際の解約は7%に制限したものです。
プライベートクレジットはそもそも換金性が見込めない投資対象
2025年後半から、大型の破綻が発生しました。また「SaaSの死」「原油価格上昇による景気悪化懸念」などの悪材料も加わり2026年3月は、リスクオフ相場を迎えています。
投資家から資金を集め、信用度の低い企業も含めて投資を行う、プライベートクレジットに対する懸念がさらに増加しています。
ファンドを運営する上では、大量の解約は運用者泣かせの事象です。
解約請求に対応するため資金化を手配する必要があります。
本来では売りたくない優良な銘柄も、資金化に対応するために売却せざるを得ないことがあるからです。
しかも、そもそも換金性に乏しい信用度の低い融資に資金投資をしているプライベートクレジットは、どのように換金を行うのでしょうか?
筆者はその業界に在籍したことが無いのですが、換金が難航するであろうことは想像できます。
そもそも、換金性の乏しい資産を対象とする投資商品なのです。
銀行が貸し出しをしないような、いわゆる信用度が低い会社にも貸し付ける。
そのお金は投資家から集める。 これがプライベートクレジットなのです。
セールスパーソンは不都合な真実を、わざわざ語らない
プライベートクレジットの、米国での解約停止は最近の話ではないのです。
しかし、情報に疎い日本人の多くがその事実を知らずに投資をしてしまいました。
全てのプライベートクレジットのファンドで不芳事例が起こっているわけではないでしょう。
しかし、リスクオフ局面で投資を解約したいときに解約できない側面を多く持つことは、ほとんどのプライベートクレジットに共通するものと言えるでしょう。
販売者は、わざわざセールスしにくくなる、「不都合な真実」を述べないのです。
また、メディアも広告主に忖度して悪いニュースを積極的に伝えることを期待しにくいのです。
リスクをわかった上で、高いリターンを期待して投資したのなら、仕方がないでしょう。
しかし情報弱者が販売員のセールスに乗って投資をし、結果的に失敗してしまうのは、気の毒だと思うのです。
なお、あなたがアドバイザーだと思って取引している人のほとんどは販売者です。
そして運用の経験もなく、セールスしている商品のリスクを深く理解しているとは言えない場合が多いと思います。
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「あまり報道されないニュース」として記事の執筆をし続けてきましたが、大きな損失が出るタイミングで「ヤバいニュース」として報道されるようになってきます。
筆者のプライベートクレジットへの警鐘は2025年6月から特集をしています。
過去「プライベートクレジットに投資する前に知っておくべきことシリーズの特集は下記リンクから参照可能です。
(1)サブプライム構造と同じか?
(2)その会社の格付を信用して大丈夫?
(3)損切り実施の動きも
(4)米国では逆風か?
(5)人気は本当なのか?
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※ 特定の会社に対する攻撃や悪意のアンチコラムなどではありません。
実際に発生している事柄の報道を引用しつつお伝えしました。
※ 特定の銘柄の分析や推奨などではありません。
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