「オルカン」ACWI、銘柄入れ替え101銘柄除外、中国企業66銘柄、日本企業も8銘柄除外
2025年11月7日に発表されたGPIFの2025年度第2Q(2025/7~9月)の運用リターン結果は5.52%でした。
第1Qは4.09%、2025年度上半期(4月∼9月)では9.83%、24兆6,532億円の収益となっています。
2024年度の年率0.71%から大きく改善した形です。
出所:GPIF 2025/11/07発表データ「2025年度第2四半期運用状況(速報)」 P4より一部抜粋
リターンに寄与した資産クラスは?
2025年度第2Qの収益率を資産クラスごとに分解してみると
・国内債券 ▼1.36%
・外国債券 2.96%
・国内株式 11.02%
・外国株式 9.75%
となっており、国内債券がリターンがマイナスです。
一方、株式は国内、外国共に9%超のリターンをもたらしました。
資産クラスの参考記録、市場環境は?
少々小さな図ですが、画像右側のベンチマーク収益率を見てみましょう。
ベンチマークというのは、参考記録のようなものと考えてください。
運用の目安として、市場はこの位の収益率だったという、比較に用いるデータです。
出所:GPIF 2025/11/07発表データ「2025年度第2四半期運用状況(速報)」 P6より一部抜粋
ここでも国内債券は▼1.59%でした。
そもそも国内債券に資産配分しても、マイナスリターンになるマーケットだったということです。
では、なぜマイナスになる資産にわざわざ投資をしているのでしょうか?
GPIFの4資産分散は、トップにならないがビリにもならない
分散投資のメリットのひとつが、市場が悪い局面でもリターンがビリにならないということです。
出所:GPIFホームページ 年金積立金の運用とは? 分散投資の意義①1位になる資産は当てられない
4資産に均等に分散した場合、この図では青の背景になる、4資産分散運用は
トップにはならないが、ビリにもならない
ことがわかります。
例えば、国内株式は2017年は好調で収益に寄与した割合がトップで+21%でした。
一方、2018年は国内株式は最下位で▼15%でした。
1位になる、収益に寄与する資産クラスを当てることは、
GPIFのようなプロ集団でも無理なことなのです。
4資産分散は 2017年も2018年も、他の4資産クラスとの比較で第3位となっています。
これが、GPIFの考えるリスク分散のひとつの形です。
ただしこれは、GPIFのように巨大な運用機関ならではの面があります。
巨大ゆえに、運用のコストが一般投資家に比べて安いケースが多いのです。
一般投資家が注意すべきはコスト
GPIFの資産配分は参考になる部分と、ならない部分があります。
仮に4資産に分散したとしても、その運用コストが高いケースには注意が必要です。
例えば、2024年度のGPIFリターンように 0.7%程度のリターンだったとしても、
一般投資家の運用コストが1.8%かかるとするならば、
▼1.1%が実質的なリターンです。
コストが高ければマイナス運用となる場合もあるのです。
バランス型運用が全てにおいて良い選択とは限らず、
全体的なコストも含めて実質的なリターンを考えることが重要なのです。
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