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超富裕層の一族の資産を管理するファミリーオフィスの間で、プライベートクレジットブームへの関心が高まっている。
ブラックロックが17日発表した調査によると、世界の175のファミリーオフィスのうち、半分余りがプライベートクレジットに楽観的見方を示し、約3分の1が年内に同資産への配分を増やす意向を明らかにした。この割合は全てのオルタナティブ投資の中で最大となった。
調査によれば、プライベートエクイティー(PE、未公開株)は依然としてファミリーオフィスの中核的な投資先であるものの、ここ数年の精彩を欠くパフォーマンスや、投資の出口戦略の難しさ、資本利益率の低下などが投資家に打撃を与えている。その結果、富裕層は運用者の選定や手数料に見合う価値があるかを巡り、選別の目が一段と厳しくなっている。
…前略 アルマンド・センラ氏はインタビューで、富裕層が「プライベート市場内で分散投資を進めている」と指摘し、「かつてはPEの成長が資産配分の中心だったが、現在はプライベートクレジットへの高い関心と、インフラ投資への関心の芽生えが見られる」と述べた。
Bloomberg 2025/06/17 『超富裕層、プライベートクレジットへの関心高まる-ブラックロック』 Silla Brush、Benjamin Stupples
筆者の連載シリーズ(4)「米国では逆風か? 」記事ではプライベートクレジットに逆風が吹いていること、プライベートクレジットファンド関与企業の破綻増加と、メディアのスポンサーに忖度するケースを採り上げました。
連載シリーズ(3)では、プライベートクレジットファンドの評価額減少事例を採り上げました。
今回の(5)の記事は、これらとは逆方向で、プライベートクレジットに人気があるように取れる記事のタイトルです。
プライベートエクイティ解約し、一部がプライベートクレジットに
今回の記事は、タイトル通りにプライベートクレジットに関心が高まっていると言えるのでしょうか?
よくよく紐解くと、
プライベートエクイティは選別されている。
・パフォーマンスが精彩を欠く(成績が悪い)
・換金性が低い(解約凍結したファンドが出現)
・手数料に見合う価値が不明(コストが高すぎる)
プライベートエクイティが不芳であるため、プライベート市場で「エクイティでない、クレジット」に資金が向かいつつある、
というのが記事の骨子のように見受けられる(筆者私見)。
成績が悪く、解約制限も出て、結果的にリターンも不芳であったプライベートエクイティ。
プライベートエクイティ資金から、プライベートクレジット資金に向かう部分が出つつある、というブラックロックの発言を記事にした内容なのでしょう。
このような記事は「プレスリリースのリライト記事」である可能性が高いと考えられます。
発信者がプレスリリースとして、メディアに記事原稿を送付します。
メディアは B社の公表資料によると・・・ といった形式で
記事の一部の表現を修正し、掲載する、といった具合です。
この記事では不芳なプライベートエクイティから、少し新しいプライベートクレジット商品を販売したい、販売者の意図が読み取れます。
Bloombergは、この記事がブラックロック発であることを、タイトルの中に盛り込んでいます。
メディアが正しく伝えるために、出所を明記している姿勢は投資家寄りとも言えるでしょう。
販売者からは決して語られない、販売に不利な情報。
そんな販売者の言葉だけを信じると、投資家は気付いていないリスクに晒される場合があるのです。
販売者の情報を鵜呑みにせず、
透明性や流動性の高い資産クラスへの投資が王道
筆者の金融一筋キャリア36年の経験から、お伝えしたい王道はこれだと思っています。
本記事は2025/06/23の記事の再掲です。
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