投信の手数料打ち切りも 米国投資家に学ぶべきコト
2025年5月16日、大手格付け会社Moody’s(ムーディーズ)は、
米国債の長期信用格付けを最上級の「Aaa(AAA相当)」から
「Aa1(AA+相当)」に引き下げました。
ベッセント米財務長官は2025年5月18日、「ムーディーズは遅行指標だ」と述べ、
市場は既にこの格下げを織り込み済みであるとの認識を示しました。
ベッセント米財務長官は18日、大手格付け会社ムーディーズ・レーティングスによる16日の格下げはバイデン前政権の財政悪化を反映したもので、
市場はすでに織り込み済みだと説明した。減税により経済成長率を高めて財政を改善する考えを強調した。
米CNNテレビとNBCテレビにそれぞれ出演した。「歴史を見ると、格下げに至る段階では既に市場に全てが織り込まれている」と述べた。「ムーディーズは遅行指標だ」と言い切った。同社は最上位格付を維持していた最後の大手格付け会社だった。
2025年5月16日 日本経済新聞 『米財務長官、格下げは「織り込み済み」 成長による財政再建強調』より一部引用
S&P、Fitchは既に格下げ。格下げ報道は大々的に行われても市場の影響は限定的か
3大格付会社のうち、S&PとFitchは既に米国債の格付けを上から2番目の「AA+」に引き下げています。
今回のMoody'sによる格下げは、残されていた最後の「AAA」格付けが失われたことになります。
メディアやSNSはセンセーショナルに
「米国、Aaa格付け失う」、「株価の大幅下落が起こる?」などと報道する可能性があります。
刺激的な見出しのほうが、読者や視聴者の興味を引くことに成功しやすいのです。
しかし、大騒ぎしたり、過度に心配する必要はないと筆者は考えます。
Moody'sは2023年11月11日に米国の信用格付見通しを「ネガティブ」に引下げ、
2024年9月24日には信用格付の引き下げ警告を行っていました。
市場はいずれ格下げが起こることを織り込んでいたため、
米国国債の価格下落はあれど影響は限定的だと考えられます。
S&Pは前回2011年に引下げ、
今後格付見通し「ネガティブ」発生時は市場に大きな影響の可能性か?
S&Pが前回格下げを行ったのは2011年8月でした。
2011年と2025年では米国の財務状況が同じとはいえないでしょう。
今回のMoody'sによる格下げが市場への影響は前述のとおり限定的と考えられます。
しかし今後、他の格付け会社が格付け見通しを『ネガティブ』に引き下げた場合、大きな変動が起こる可能性こそが真に恐れるべき事象だと考えられます。
市場の変化はいつも起こり得ます。
大きな常識の変化が要求され、新たな常識が形成される可能性もあるでしょう。
関連記事 過去に格下げシナリオ解説
筆者は事前に米国格下げの可能性があることを繰り返し解説してきました。
関連記事は下記より閲覧可能です。
2024年10月3日公開「米国が最上級格付けをいずれ失う日が 不要な大騒ぎをしないために」
https://mbp-japan.com/tokyo/ria-japan/column/5175345/
2023年8月2日公開「米国格下げ!AAAからAA+に Fitch Ratingsが格下げ。理由は何なのか」
https://mbp-japan.com/tokyo/ria-japan/column/5141533/
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