日本のアクティブ型約8割はインデックスより成績悪い。注意すべき「新設ファンド」の裏側のカラクリ
また相場下落が発生しました。
一度も下落を迎えず、一方的に上昇し続けることは、通常まず、あり得ません。
言い換えれば、「下落はいつか起こる」ことなのです。
画像:Bloomberg US 2025/04/07 PM15:07取得
上(青)S&P500指数、 下(橙)日経平均株価
資産運用を甘く見た投資家の後悔は?
トレーディングは献身が必要では?
頻繁に売買を行うことが、資産運用だと思っている投資家がいます。
「トレーディング」を片手間で行うことは、なかなか難しいでしょう。
専業でトレーディングを行うことは、市場に対する献身が必要です。
知人で為替のトレー―ディング戦略のヘッジファンドを経営していた人がいました。
夜、酒席であってもチャートのアラームが鳴った途端に、楽しいお酒は中断。
このような、オンとオフが無い世界で生活したい人ならば、トレーディングもアリなのかもしれません。
筆者は、心休まる時間が片時も無い、為替トレーディングを行いたいとは思いませんでした。
そもそも、銀行員や証券会社に勤務しながら、トレーディングは無理でした。
資産運用は、短期の売買を行うことだけではない
と思うのです。
販売者の口車に乗らない
今のテーマはこれ! 世界的に注目されているファンドはこれ!
今こそ新興国の この地域! ・・・・。
販売者は、ファンドの乗換えや、高い信託報酬のファンドを勧めたがります。
販売者と取引するのであれば、高いコストの商品を勧められるのは
当たりまえだと気づいてほしいものです。
そして、高いコストの運用となることを選ぶ結果となるのです。
更に、販売時の手数料も支払うならば、
運用成果から大きな手数料支払いに消えるケースがあるのです。
証券会社の社員などは、*自社の利益誘導を前提に考える人たちです。
投資家の運用の成功が最優先ではありません。
証券会社にとって旨味のない、ETFを勧められたことがありますか?
有利な商品であっても、証券会社の収益に*寄与しない、ETFは証券会社社員などから勧められるケースは、ほぼ、無いでしょう。
(* 一部の証券でもフィーベース型採用しているケースがある)
私自身も販売者の立場に身を置いていた時代がありました。
その時に思ったことは、
本当に有利な、低コストの資産運用を勧めても、
販売者の立場では評価されることは難しい。
販売者から卒業しなければ、顧客に有利な商品アドバイスは無理なのでは
ないだろうか?
販売者と付き合うということは、商品を販売される前提だと再認識が必要なのです。
元本確保型、先進的イノベーション、インド株、高配当株式…
元本確保型投資信託、先進的イノベーションで米国で大流行したETFを日本で高いコストの投資信託で販売、新興国、インドの成長目的での投資信託、高配当の株式をアクティブに集めた投資信託・・・・。
販売者たち、販売者側の専門家は、「有効だと思われる」テーマを次々とお客様に提案してきました。
ここに挙げたものがその後、どうなったでしょうか?
・・・・・。
相場が悪い時には、マイナスとなることは止むを得ない面があります。
しかし、言われたとおりに投資することで、大きな損失を被ってしまうケースがあったと想像できます。
そういえば、あんなに声高だった話題だったが最近、関連のセールスを受けたことが無い。
旬なテーマで無くなったので、一度売却しておきましょう・・・。
その時には、もう大きな損失となっている可能性もあるのです。
大きなリターンよりも、小さな損失の安定運用を求める富裕層
「レバレッジ」を使った大勝負に出る投機家がいます。
目算通りに進めば、とても大きな利益を得ることも可能なのでしょう。
しかし、思惑と逆方向に進めば、大きな損失でほとんどを失うケースもあるのです。
資産運用を甘く見た自信過剰な投機家が、大きな変動の相場で、
大きな損失を抱えて強制退場、となるケースがあるのです。
余談ですがプライベート・バンカーを語る者でも、このようなレバレッジを推奨する者がいました。
レバレッジをかけるために必要なコストが、相場悪化時に命取りとなることに
・(経験不足で)気付いていないか、
・または気付いていても、顧客を犠牲にしても自分の大きな報酬を優先する
このような、プライベートバンカーと付き合う時には注意が必要なのです。
(* レバレッジを使うこと全てが破綻するとの主旨ではありません。
ただし、レバレッジの成功体験でエスカレートした結果、相場下落時に強制退場した投資家を見た事も事実です)
私見ですが、2015年頃までのプライベートバンカーでは
・証券系、米国系はリスクに対して積極的で高いリターンを目論み、
・信託系、欧州系はリスクを警戒し、安定性を重視する
ケースが多い印象を持ちました。
筆者は「お客様には面白味は無くても、安定的な運用を目指してほしい」
との考えを長年、持っています。
筆者の富裕層顧客は、ほとんどが筆者と同様の考え方を選択するお客様たちです。
資産運用を甘く見ず、下落相場に備えたポートフォリオ配分を行っているのです。
株式100%の配分は、資産の分散は出来ていないのです。
下落相場は起こる想定内なので、不必要に慌てたり感情的になったりはしないのです。
かつて販売者と付き合い、さんざん損してきた経験を持つ富裕層は、
資産運用を甘く見ず、投機や短期売買、レバレッジ活用、株式に100%投資
といった運用スタイルとは、一線を画す運用を行う傾向がある
と筆者の私見では思います。
* 特定の会社に対する攻撃や悪意のアンチコラムなどではありません。
実際に発生している事柄を報道からお伝えしました。
* 特定の銘柄の分析や推奨などではありません。
本コラムは信頼できると判断された情報をもとに作成しておりますが、正確性、完全性を保証するものではありません。
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