買う時の手数料が無料(ノーロード)でも気づいたら高コストの場合も?投資初心者が知らなかった資産運用

安東隆司

安東隆司

テーマ:投資初心者

(RIA JAPAN広報部記述)
このシリーズは、3年以上RIA JAPANのコラムを読んだ投資初心者に依頼して、「なるほど!と感じたポイント」「投資を始める前に知っておきたい!」と感じた内容について執筆いただきます。
投資初心者さんの執筆記事は第157回目になります。
今回は販売時手数料無料=ノーロードについて執筆いただきました。
誤解が無いように一部表現を校正した箇所があります(*)は編集部校正。
********************

手数料と聞いて、どんな印象を持っていますか?
私は「低いに越したことはない」という印象を持っています。
しかし、スタートした時が安ければ、その後もずっと安いかというと、そうではない場合もあります。
最初は安かったのに、気が付いたら高い手数料を払うことになり、最終的には支払いが増える。
こうなったらとても残念ですよね。
これは投資でも同じようなケースがあることをご存じでしたか?

販売手数料無料は必ず得する魔法ではない

販売時手数料が無料のことを、ノーロードとも言います。
手数料が無料、なんとも響きのいい言葉です。惹かれる部分もあるでしょう。
お金がかからないことは、資産運用でプラスになりやすい意味を持つからです。
ですが、投資信託の場合、主に2つのコストがあることを忘れてはいけません。
それが販売時手数料信託報酬等です。

販売時手数料無料と書いてある商品は、販売した段階での手数料は無料です。
しかし、信託報酬等は無料とはいっていないのです。
こちらは預けている間に自動で引き落とされます。
このコストは自動ですから、気が付かない人もいるかもしれないのです。

販売手数料無料は必ず得する魔法の言葉ではないといえます。

高コスト運用ではせっかくのリターンをコストで帳消しにしてしまうことも

仮に信託報酬が2%だったとします。
単純に10年預けたら、20%のコストを支払ったことになりますね。
おかしいって思いませんか?
販売時手数料が無料でも、保有中に大きなコストを支払ったら、無料の意味は飛んで行ってしまいます。
iDeCoでは、信託報酬0.40%未満のものを選ぶのが重要というメッセージをRIA JAPANは長年、発信し続けてきています。
なぜかといえば、高コスト運用では最終的に利益が出なくなる恐れがあるからです。
これが高コストの落とし穴。
販売時手数料が無料でも、運用時のコストで取られてしまえば利益は消えるのです。
場合によっては利益が消えるどころか、元本割れになる可能性もあるでしょう。

アメリカは驚くほどの低水準

日本とアメリカで2016年で売れ筋だった投資信託5本を見てみましょう。

日本のコスト平均値は1.53%。
同時期のアメリカでは0.28%です。*1

販売時手数料が無料でも、これでは(*投資家の)利益が出てこないことがわかるでしょう。
(*1出典:金融庁「家計の安定的な資産形成に関する有識者会議 説明資料」2017年2月公開)

米国の信託報酬平均は0.06%も!桁違いの安さ

アメリカでは投資信託のコスト水準も年々低下してます。
2020年のアメリカでのデータを見てみましょう。
アクティブ型では株式型0.71%、債券型0.50%という水準です。
これがインデックス型になると更に驚くべき低コストになります。
株式型・債券型共に0.06%という水準です。

アメリカでは利用者側の知識が充実し、低コストが当たり前になってきています。
しっかりと見極めておかないと、実は損しているなんてことが出てくるのです。
(*2出典:Investment Company Institute「2021 Investment Company Fact Book」)

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(以下、編集後記)
今回、投資初心者さんには、販売時手数料無料=ノーロードについて執筆いただきました。
販売時手数料があるものより、開始時ではノーロードの方がコストは安くなるケースもあるでしょう。
しかし、信託報酬などのコストが高ければその利点は失われ、長期運用ではマイナスに働くこともあり得るのです。
2024年2月、遂に日本でも残高上位5本のうち、4本がインデックス型になりました。この7年強で、低コストのインデックス運用が、若者発信で広がってきたことを改めて感じる事実です。
2024年12月24日11時時点でも変わらず投資信託残高上位5本のうち、4本がインデックス型です。
(出典:QUICK 資産運用研究所 投資信託 純資産総額ランキング)

しかし、このような事実を知らない投資家が、依然として販売者のセールストークを真に受け、高コスト運用を未だに行っている事実も一方ではあるのです。

下記リンクよりRIA JAPANが発信してきた関連コンテンツが閲覧可能です。
【関連記事】
・ダイヤモンドオンライン コラム
 ノーロード(販売手数料無料)投信、中身は10年で手数料は20%以上も!
・著書「お金を増やすならこの1本から始めなさい」
 P70よりノーロード投信について解説しています。
 「お金を増やすならこの1本」Amazon販売ページ
・著書「NISA・つみたてNISA・iDeCoプロの選び方教えてあげる!」
 P86「スタート時無料でも実際には高いコストに注意!」にて解説しています。
 NISA・つみたてNISA・iDeCoプロの選び方教えてあげる!Amazon販売ページ
・YouTubeチャンネル「所長解説のおカネ学」


繰り返しになりますが、本記事はRIA JAPANが、投資初心者に弊社発信のコラムで、「なるほど!と感じたポイント」「投資を始める前に知っておきたい!」と感じた内容について記述してもらったものです(第157回目)。

※本コラムは特定の有価証券又は金融商品を勧誘するものではありません。また、特定の資産クラスに対する今後の方向性を保証するものではありません。

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安東隆司
専門家

安東隆司(投資顧問)

おカネ学株式会社 Reliable Investment Advisors Japan Co.,Ltd(英文名称 略称 RIA JAPAN)

富裕層の資産の管理や運用、承継などを行う。売買手数料0などお客様と利益相反の少ないサービスを追求。また、海外ETFを中心とした資産形成の知識・経験が豊富。テーラーメードの投資助言を大切にしている。

安東隆司プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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