とある従業員想いの企業様の企業型DC改善事例。ラインナップ見直しで従業員の満足度向上へ RIA JAPAN 企業向け金融経済セミナー実施

安東隆司

安東隆司

テーマ:セミナー

昨今ではモノの値段が大きく上がっています。
RIA JAPAN調査では、大手牛丼チェーン店の牛丼並盛の値段が
2013年:280円→2024年10月:498円
11年でおよそ1.77倍ほど価格が上がっています。
しかし、銀行預金だけでは、将来には物価に見合った金額でなくなってしまう可能性もあり得るのです。
そこで、iDeCoや企業型DCを活用し、非課税でセカンドライフに向けた「じぶん年金」の準備をする人が増えています。
iDeCo(個人型確定拠出年金)では自分で取引先の金融機関を選択して始めることができますが、
企業型DCでは、勤めている企業が選んだ金融機関からしか商品を選ぶことができません。
つまり、企業が高コストのラインナップしかない金融機関を選んでしまうと、
従業員は低コストの商品を選べない
のです。

今回は、とある従業員想いの企業様が、
RIA JAPANの金融経済教育セミナーを通じて、企業型DCラインナップを見直し、
結果として従業員の資産運用への興味増加、資産形成に寄与している事例をご紹介します。

とある従業員想いの企業様の企業型DC改善事例 継続的に従業員向けDCセミナー実施

とある企業様より、従業員向けの金融経済教育セミナー実施の依頼をいただきました。
しかし、セミナー実施にあたり、その企業様の企業型DCラインナップを確認してみたところ、
ほとんどがアクティブ型で、高コスト商品のオンパレードでした。
例えば、外国株カテゴリーではアクティブ型のみの選択肢しかありませんでした。
先進国株式に投資するアクティブ型のコストが1.8590%でした。
社長様・経理ご担当者様は
「企業型DCの制度開始初期に企業型DCをスタートし、長年そのままだった」と仰っていました。

セミナー後、運営管理機関変更し、コスト低下へ

弊社でのセミナー後、企業様は企業型DCの運営管理機関を見直し、
金融機関を変更、企業型DCラインナップが大きく変わりました。
一例としてどのぐらいコストが下がったか、お伝えしたいと思います。

企業型DCラインナップ変更の比較(一例)

下記図表は企業型DCラインナップ変更前と変更後直近で
投資カテゴリーの最安銘柄のコストをピックアップしたものです。

ラインナップ変更前では
「米国株式」や「外国株式」、「新興国債券」カテゴリーに投資する銘柄はラインナップにありませんでした。
(先進国対象のアクティブ1本のみ)

しかし、今回の変更でどちらも選択肢が増え、
更にコストも「0.0938%」「0.09889%」「0.242%」と低コストの銘柄が増えたことがわかります。
変更前ラインナップではインデックス型がほとんど選べず、
更にインデックス型を選んだとしてもコストが0.55%(国内株式)と決して低いとは言えませんでした。
一方、今回のラインナップ変更で国内株最安銘柄のコストが0.55%→0.143%
大幅に下がったことがわかります。
全体の本数も変更前は18本の銘柄からしか選べませんでしたが変更後は33本に増加しています。
こうした低コストの銘柄や、これまで投資できなかったカテゴリーの選択肢が増えることは
実際に投資する従業員にとって嬉しい変更でしょう。

まとめ ココが変わった企業型DCラインナップ変更

・ラインナップ商品のコストが低下
・これまで投資できなかったカテゴリーの銘柄が追加
・ラインナップ商品数18本→33本

企業年金の担当者も会社側を責任を負う時代に企業型DC担当者・経理担当者に研修と商品見直しの検討を

企業の企業型DC担当者や、経理担当者は
「運用の知識や経験が豊富」なプロ人材ではない可能性があります。
「企業年金の制度担当となるために、入社した」人などは、ほとんどいないでしょう。
しかし、2023年11月20日に「金融商品取引法等の一部を改正する法律」が可決され、
企業年金の制度担当者も「年金加入者の最善の利益を勘案しつつ、誠実かつ公正に業務を遂行すべきである旨の義務」が課されることになりました。
出所:金融庁 金融商品取引法等の一部を改正する法律案の概要
https://www.fsa.go.jp/common/diet/211/01/gaiyou.pdf

研修が必要であり、取引している金融機関に研修は任せることが多いでしょう。
金融機関は無料で従業員向けセミナーを引き受けます。
タダより高いモノはない!
タダでセミナーを引き受ける犠牲になるのが、「従業員の商品ラインナップ」なのです。
無料セミナーを行う企業ならば、商品のラインナップも金融機関にお任せとなる場合が多く、
結果として高いコストの商品で従業員が運用せざるを得なくなってしまうのです。

企業は従業員に訴えられないための努力が必要

企業が今後意識しなければならないことは何でしょうか?

・企業型DCや年金運用で、「良い」と思える商品を選択する
・従業員向けの研修を充実し、従業員の満足度を向上させる

ということなると思います。
経営者の方々が問題意識をしっかり持ち、制度の見直しを行うことで、
結果的に従業員満足度の向上に繋がるのです。
こちらのDC制度を見直した企業さんでは1年に1回、継続的に金融経済セミナーを実施することで
従業員の金融知識の定着
を図っています。

RIA JAPANではかねてより企業型DC、職域向けファンドの高コスト傾向について警鐘を鳴らしてきました。
伝えたいメッセージは一貫しています。
また、総務・人事向けに企業型DCのコストを見直すキッカケとなるセミナーを数多く開講してきた経験があります。

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安東隆司
専門家

安東隆司(投資顧問)

おカネ学株式会社 Reliable Investment Advisors Japan Co.,Ltd(英文名称 略称 RIA JAPAN)

富裕層の資産の管理や運用、承継などを行う。売買手数料0などお客様と利益相反の少ないサービスを追求。また、海外ETFを中心とした資産形成の知識・経験が豊富。テーラーメードの投資助言を大切にしている。

安東隆司プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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