プライベートバンカーが職場で顧客名を「イニシャル」で呼ぶ理由
世界最大の航空機メーカーである、ボーイングの格付け引き下げが検討されています。
米国の格付大手、S&Pグローバル・レーティングが
ボーイングの格付けをジャンク級(投機的水準)に引き下げを検討
しているのです。
格下げ検討の要因は?
ボーイングは長期にわたるストライキを行っており、年末まで続けば格下げの可能性が高まるとの指摘です。
投資適格級、ジャンク級とは何か
債券の格付けは大別して、「投資適格」とそれ以外に分けれらます。
BBB(トリプルビー)までは借金を返す能力が「適切」です。
BB(ダブルビー)より下となると、債務履行能力が「不十分となる可能性」となります。
この「投資適格」とそれ以外にはとても大きな線引きがあるのです。
プロの投資家などでは「投資適格」級の格付けのある債券にしか、投資しないというような運用方針を取っている場合が多く見受けられるからです。
図表:安東隆司『元メガバンク・外資系プライベートバンカーが教える お金を増やすなら この1本から始めなさい』P66より
投資適格でなくなると、「ジャンク」と呼ばれたりします。
ジャンクは、くず、廃品、がらくた、といった意味です。
投資の世界ではジャンク=投資不適格級と判断されます。
ジャンク級に堕ちた企業は「堕天使」とも呼ばれたりします。
ジャンクは「投資不適格」な格付けとも言えるわけです。
ジャンク級の債券格付けで、NYダウ採用銘柄は保持できるのか?
ボーイングはニューヨークダウ採用銘柄です。
NYダウはダウ・ジョーンズ工業株価平均指数で、世界で最も良く知られている、100年以上の歴史あるインデックスです。
アメリカを代表する30社に選ばれている銘柄ということです。
仮にジャンク級となった場合、ダウ採用銘柄のままでいられるのでしょうか?
採用銘柄を決定する、インデックスプロバイダーの判断は、我々は知る由もありません。
筆者の私見では、ジャンク格付けを持つ企業が「アメリカを代表する30社」という指数に組み入れられていることには違和感を感じます。
仮にジャンク級に格下げされれば、NYダウの採用銘柄から除外されてもおかしくないと思われます。
* 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券その他の投資商品についての勧誘や、売買の推奨を目的としたものではありません。
本記事は信頼できると判断された情報等を基に作成しておりますが、正確性、完全性を保証するものではありません。
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ご参考:ボーイングの経営不振の原因は?根深い問題年表
ボーイングの737MAXは墜落事故を起こしました。
2018年10月、インドネシアのライオン・エアがジャワ海に墜落。
2019年3月、エチオピアで墜落。
あわせて346名が死亡。
2020年、COVID-19(いわゆるコロナ禍)パンデミックの蔓延で旅客減少、120億ドル近い純損失計上
2021年司法省が刑事訴追を猶予(再発防止策を取る条件)
2024年1月、アラスカ航空の窓部分のパネルが吹き飛ぶ事故発生。(刑事訴追猶予期間中)
2024年2月、安全上の問題を認め 2億4360万ドル(約390億円)の罰金を支払い。
データ参考:
NHKニュース「ボーイング 737MAX事故めぐり “詐欺罪認める”司法省と合意か」 2024/07/09
Bloomberg「ボーイングの格付け、ジャンク級への引き下げ方向で見直し-S&P」 2024/10/09
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