仲介業から移行が進むRIAとは?
「今後、10%以上の株価下落が発生する」 この予言は*必ず当たります。
10%程度の下落は、年に数回発生しているのです。
時期や対象を限定しなければ、いずれ10%の下落局面はあるからです。
*注 通常、金融機関や投資助言に携わる者は「必ず」「絶対」といった言葉は使いません。
断定的な表現となるためです。
しかし、対象と期間を限定しなければ10%の下落はどこかで起こっています。そのためここでは「必ず」と表現しています。
【追記 コラム掲載から10日で、「必ず10%下落は起こる」が実証されました。2024/10/16朝に実際に10%以上の下落が発生しました。海外市場の半導体銘柄で少なくとも4銘柄が10%を超える下落でした。▼16.26%、▼14.70%、▼10.90%、▼10.69%などの下落でした。】
かつて著名だった日本のファンド運営者で「危機は来る」と言い続けている人がいます。
この言葉を信じた投資家は、ここ数年の上昇相場のリターンを享受できません。
しかし、下落局面では「予言が当たった」と宣伝をするでしょう。
「リスクを言い当てた人」と自ら宣伝します。
10%下落を信じて、ポジション売却したり、預貯金に滞留させた場合には、投資のリターン
を受けることはできないのです。
いつもリターンがプラスになるとは限りません
数年マイナスのリターンとなることも、資産運用では起こり得ます。
しかし、マイナスリターンを気にせず長期運用の視点を持った投資家は報われるケースが
多いことも、過去の統計からは見て取れるのです。
「強気相場のリターンは、弱気相場の損失を補って余りある」
ETFプロバイダーで有名な、バンガードの最高投資責任者である、
グレッグ・デイビス氏の言葉です。
世界の株価動向を長期的な視点で見ると、世界的な強気相場によるリターンは弱気相場の損失を補って余りあることがわかります。
長期運用のケースでは大きな下落があってもいずれその下落分を超える上昇を続けてきました。
注記:弱気相場とは、直近の株価の最高値から20%下落した相場を指します。
出所:トムソン・ロイターのデータに基づきバンガードが算出。リターンは1980年1月1日から1987年12月31日までをMSCIワールド・インデックス、1988年1月1日から2019年6月30日までをMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスにより、1979年12月31日を100として算出
4.86%?1.10%?▼2.43%?どれを選ぶ?
・2000-2018年のS&P500のリターンは4.86%(複利)でした。
・しかし同期間中で最もリターンの高かった10日間を除くと、S&P 500インデックスの年複利リターンはわずか1.10%となります。
・最もリターンの高かった25日間を除けば、年複利リターンは-2.43%になります。
・市場の最高値と最安値は得てして判断が難しく、市場のタイミングを図って行う短期売買が成功するというのが誤った通説とされるのは、こうした理由によります。
出典:2019年10月25日グレッグ・デイビス「終わりのない弱気相場はない」より
変動の多い株式、最高値で売り、底値で買うことは実質不可能
株式には変動があります。
「高値で売って、底値で買う」
これは理想ですが、どこが高値という判断は誰にもできません。
COVID-19発生時の相場下落時の事例、参入機会損失はリターンが市場に劣る
最近の事例を考えてみます。
COVID-19の発生時、とあるプロのファンド・マネージャー(FM)が
「第2波がくる。だからキャッシュで待機資金を持っています」
このように言っていました。
また、当時、回復は「V字型」ではなく「L字型」との見方が大勢でした。
結果はどうだったでしょうか?
待機資金を持った者は、参入機会を失い、上昇の機会を逸して
しまったのではないでしょうか?
V字型の回復を予想しなかった者は、利益の機会損失で、リターンが
市場に劣る結果となったでしょう。
当然のことながら、今後、大幅な下落局面は来ることでしょう。
「あの時、売っておけば良かった」と思う時があるかもしれません。
しかし、売却すると、利益の*20.315%は納税が必要です。
*注 NISAなど非課税口座での運用を除く
利益の2割を目減りして、再投資でメリットを享受できるとは限りません。
また、下落途中に、落ちるナイフを掴める人は少ないでしょう。
仮に継続保有によって80%以上、上昇している銘柄の保有があるとします。
20%の上昇時点で利益確定してしまっていたら、その後の上昇の機会を失う結果になったでしょう。
どの銘柄が、何%まで上限する といったことは誰にも判断できません。
そして、今後10%や20%の調整は起こり得ます。
そんな時にも動じない心構えを持っていただきたいと思っております。
********************
* 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券その他の投資商品についての勧誘や、売買の推奨を目的としたものではありません。
本記事は信頼できると判断された情報等を基に作成しておりますが、正確性、完全性を保証するものではありません。
メディア取材、セミナーのご用命は下記リンクの弊社HPお問合せフォームよりご連絡ください。
RIA JAPAN おカネ学株式会社 お問合せフォーム