ファンドラップ手数料が2段階以上発生している?安東隆司の解説動画公開
中立なアドバイザーが今後、注目を集めることでしょう。
金融経済教育推進機構(J-FLEC)が8月、本格的に業務を開始しました。
中立的な立場で個人にアドバイスする「認定アドバイザー」の見える化をします。
中立アドバイザーは誰なのか?
一般に金融機関の営業員や金融商品仲介業者(通称IFA)は商品を販売する手数料が収入源だ。FPも仲介業者を兼ねたり保険代理店と契約して報酬をキックバックされたりするケースが多い。相談者に向く商品ではなく販売したい商品を勧めるといった問題が指摘されてきた。
日経ヴェリタス 2024/09/01 「資産形成、広がる相談窓口 中立の認定アドバイザー始動」
実は多くの人が相談しているのは中立なアドバイザーではなく、商品販売をしている販売者であることが多いのです。
デパートに行って、百円均一の商品を探すことができない場合が多いですよね?
デパートの商品は高級志向のケースが多いのです。
しかし、ほぼ同じ機能で価格が安いものが百円均一にもある場合はどうでしょうか?
価格の安いものから選ぶ、という選択肢が取れる方が良いと考える人も多いのではないでしょうか?
相談者が金融商品を販売する人の場合、
販売者の商品ラインナップからしか、商品選択ができない
と考える方が無難でしょう。
コスト高の商品しか、取り揃えていない場合が多いのです。
資産運用の成功には、低コストのツール(投資信託やETFなど)が選べた方が、良いとも考えられるのです。
具体的な商品のアドバイスは投資助言・代理業者から
FPに相談すれば、具体的に何を買えば良いか教えてくれると思っている人もいるでしょう。
これは誤解です。
FPの資格のみでは、具体的な金融商品をアドバイス(助言)することはできないのです。
金融商品取引法では、行える業務が決まっています。
「投資助言・代理業務」が、金融商品の具体的な助言をするための登録(≒ライセンス)なのです。
日本での投資助言の専業事業者は約400者です(RIA JAPAN調べ)。
まだまだ認知度が低く、かつ受け皿としても限られた人しか利用できていない現状があります。
認定アドバイザーの業務は、個別銘柄助言は無し
J-FLECの認定アドバイザー業務に、具体的な銘柄の助言は含まれるのでしょうか?
事前に公表された資料から読み解くと、一般的な金融経済教育の範囲に留まり、投資助言業務は対象外とされています。
すなわち、J-FLEC認定アドバイザーも、
「具体的な商品アドバイス」は業務範囲外
だと思われます。
金融経済教育、知識向上が必要
日本では、金融経済教育を受けたことのある人が少ないです。
J-FLECは、広範な金融経済教育を促進する鍵になる組織となることでしょう。
J-FLECの認定アドバイザーが、中立な立場で金融経済教育を推進することで、日本の多くの人々の金融経済知識が向上することが期待できるのです。
情報漏洩管理体制に期待したい
別件ですが損害保険大手から250万件にも及ぶ個人情報の漏洩が報道されています。
出向社員が競合他社の自動車保険契約者の個人情報を漏洩した可能性が指摘されています。
要は、出向先の情報を古巣に提供した情報漏洩が発生していたのです。
J-FLECの認定アドバイザーでも、「古巣」が販売者であるケースが考えられます。
現在は出向中であっても、古巣向けの情報提供をすることが求められるような、損保各社と同様な情報漏洩があってはなりません。
J-FLECには、厳格な情報漏洩対策を期待したいものです。