投信の手数料打ち切りも 米国投資家に学ぶべきコト
世界的に著名な金融機関が運用する、日本の投資信託が低迷しています。
2019年12月には、「シリーズ運用残高で3000億円を突破!」
2020年3月には「資産運用における商品スキームに関する特許取得」
といったプレスリリースが発表され、鳴り物入りで販売された商品シリーズです。
元本確保型投資信託シリーズ24本の全てが元本割れ
2018年7月から2022年6月までで、ひとつとしてプラス運用の商品が無いのです。
リターンは、▼10.87%から▼1.61%となってしまっています。
国際分散投資スキームは、投資家のリターンに全く寄与していないのです。
5年間インデックス型投信とリターンを比較すると?
データ:Bloomberg 2024/03/22AM10 データ取得
元本確保型投信は、2019年3月開始の、期間約5年間のものと同一期間で比較。
赤 リターン160.17% (S&P500 インデックスファンド)
青 リターン 91.68% (日経平均株価 インデックスファンド)
橙 リターン ▼3.69% (元本確保型の国際分散投資ファンド)
比較グラフを挙げておきながら、少々インパクトを重視した比較になっている点は補足説明が必要なポイントです。
株式部門以外への資産分散も重要な事柄です。
債券などインカム戦略を伴う分散と、
株式100%を単純に比較するべきではないでしょう。
そして株式100%で資産運用に臨むことを、推奨する立場ではないことを明言しておきます。
むしろ資産分散の重要性は知っていただきたい点です。
(過去のGPIFのリターン等で、たくさんの別のコラムを記述しております。ぜひご覧ください)
また、今から5年前の「タラ レバ」を話すことは誰にもできる話です。
5年前にリスクを予見することができたか、どうかが重要です。
(本シリーズ 2で詳細解説します)
しかし仮に複数の資産クラスに投資するプログラムであったにしても、
この5年でマイナスリターンは残念な結果であることは明白だと思っています。
著名金融機関も、特許スキームも、リターンには寄与していない。
世界的に著名は金融機関の運用が、5年累積リターンでマイナスなのです。
米国のS&P500や、日経平均株価に連動する、インデックス型の投資信託で運用すれば、
米国S&P500は 2.6倍、日経平均株価投信は1.9倍に増えている市場環境です。
「元本確保」は当時、日本の投資初心者のニーズに合った言葉だったでしょう。
しかし、実際の商品は複雑怪奇な内容だったのです。(詳細は次回説明します)
この商品も、仕組み債同様に満期以後に訴訟となるのは必至と思われます。
複雑で元本割れする仕組みを、十分理解する人々に販売されたとは思えないからです。
大手メガバンクから紹介された、系列の証券で購入した人も多いでしょう。
何せ、3000億円突破したというプレスリリースが出ていたのです。
そして、特許を取った仕組み(スキーム)と宣伝されていました。
おそらく、販売した人もこれほど低迷するとは思わずに取り扱いをしたのでしょう。
そして、10年間の運用だからと未だに低迷している事実に気づいていない人がいるでしょう。
早く気付いて、インデックス型投資を非課税のNISAやiDeCoで運用する方に変更してほしいと思います。
これからの挽回に、期待することができないケースが多いと考えられるからです。その詳細は続編でお話しします。
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・小学館Precious.jp コラム
儲けるはずが逆に損してる!投資初心者がやりがちな「失敗事例」5選
・著書「お金を増やすならこの1本から始めなさい」
P80より元本確保型投信について解説しています。
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