投資初心者が知らなかった資産運用! 高利回りに見えるトルコリラ建て債券で損してしまう仕組みって?
(RIA JAPAN広報部記述)
このシリーズは、2年以上RIA JAPANのコラムを読んだ投資初心者に依頼して、「なるほど!と感じたポイント」や「投資を始める前に知っておきたい!」と感じた内容について執筆いただきます。
投資初心者さんの執筆記事は第118回目になります。
今回はトルコリラ建ての債券について執筆いただきました。
誤解が無いように一部表現を校正した箇所があります(*)は編集部校正。
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額面に対する利息を表面利率と呼びます。
利息が10%と書かれていたら「これなら儲かる!」と思ってしまうかもしれません。
でも、世の中はそんなに甘くありません。
支払いコストがかかれば、10%なんて軽く飛んでいくかもしれないからです。
外貨建ての新興国債券投資では起こりえることなんです。
表面利率10%という魅力
「表面利率10%」
そんなのあるなら見てみたいという人もいっぱいいるのではないでしょうか。
すごいですよね。これが過去にトルコ・リラ債券でありました。
「こんなに儲かるなら、両替手数料があってもプラスが大きい!」
「更に両替手数料も2円しかかからない!」
そう思うのも無理はありません。
ちゃんと計算していないからこそ、安心してしまうわけです。
そこでコストがどのくらいなのか、実際に計算してみましょう。
往復でかかる両替手数料2円=コスト18%
両替手数料2円というのは、片道のことを指します。
たとえば日本円からトルコ・リラにしたとしましょう。
トルコの債券ですので、相手の通貨であるリラにしなければいけません。
ここで2円の手数料がかかります。
以前の水準で、1トルコ・リラが20円*とすると、両替手数料を含めると22円必要になるわけです。
仮に300万円をトルコ・リラに両替するだけで、27万円以上の手数料を支払うことになります。
計算すると約9%の両替手数料にもなるわけです。
* 1トルコ・リラは数年前は20円でした。しかし2024年3月1日には1.82円*でした。
* 4.82円:2024年3月1日時点TTM(仲値)、三菱UFJリサーチ&コンサルティングより
さらに、トルコ・リラで受け取っても日本では使えません。
日本円に戻さなければいけませんよね。
そうなると、両替手数料がまたかかるのです。
往復で約18%の両替手数料。
例え利回りが10%あったとしても、大きく損になってしまうのです。
変動しやすい新興国為替
為替のリスクもあります(*)。
新興国の相場の変動は読みにくいうえに、水準が大きく揺れ動くのです。
両替手数料が同じ2.0円だったとすると、とんでもない水準になってしまいます。
支払い手数料だけで、10%の利益は簡単に吹き飛びました。
両替手数料2円 という絶対値だけの印象では、こんな落とし穴があることに気が付かないでしょう。
「両替手数料はたった2円ですよ」そうセールスされたら安く感じてしまいがちです。
計算するときには、単位をそろえて考える。
1円という水準ではなく、コストを%で理解することが重要です。
*注 為替水準ですが、以前20円が4.82円になっている事実はこの事例では為替の下落率はマイナス75.9%です。表面利率の10%や15%では全く釣り合わない下落率です。
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(以下、編集後記)
今回、投資初心者さんには、トルコリラ建ての債券について執筆いただきました。
トルコ・リラ等の新興国通貨の両替手数料、為替変動リスクに注意してほしいと思います。
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・ダイヤモンドオンライン コラム
「高利回り」の海外債券…金利15%でも損する仕組みとは?
・著書「NISA・つみたてNISA・iDeCo プロの選び方教えてあげる!」
P214「10%のトルコ・リラ債券なら負けない?」にて解説しています。
NISA・つみたてNISA・iDeCoプロの選び方教えてあげる!Amazon販売ページ
・著書「お金を増やすならこの1本から始めなさい」
P34よりトルコリラについて解説しています。
「お金を増やすならこの1本」Amazon販売ページ
・YouTubeチャンネル「所長解説のおカネ学」
繰り返しになりますが、本記事はRIA JAPANが、投資初心者に弊社発信のコラムで、「なるほど!と感じたポイント」や「投資を始める前に知っておきたい!」と感じた内容について記述してもらったものです(第118回目)。
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