NISAで低コストインデックスを伝えた歴史を振り返る 金融庁長官コメントとは?
RIA JAPANではメディアなどで情報を発信する時に必ずお伝えしていることがあります。
それは「低コスト」の「インデックス運用」で「長期運用」をしてほしいということです。
実際、世界的にはインデックス運用に乗り換える人がどんどんと増えています。
今回はどうしてインデックス運用が世界的にも評価されているのか解説したいと思います。
インデックス運用って?
まず、「インデックス」って、何のことだかわからない方もいらっしゃるかもしれません。
「インデックス」とは「指数」という意味です。と、言われてもピンと来ない人が多いでしょう。
一番身近なインデックスは「日経平均株価」でしょう。
毎日ニュースなどで、日本の株価の話題になると、「今日の日経平均株価は〇〇円上昇」などと聞くアレです。
日経平均株価とは「日本を代表する会社225社」の株価目安と覚えてください。「日経225」とも呼ばれます。
例えば日経225と同じ値動きを目指す投資信託Aがあったとします。
この場合、日経225が上がれば投資信託Aも値段が上がりますし、
逆に日経225が下がれば投資信託Aの値段も下がります。
このインデックスに追随する運用をインデックス運用といいます。
インデックスのメリット 低コスト傾向
ではどうしてインデックス運用が世界的に評価されているのでしょうか?
その理由はインデックス運用の方が運用コストが低い場合が多いからです。
インデックス運用と対をなす存在としてアクティブ運用というものがあります。
先ほどの例を使うならば、「日経平均株価を上回る運用を目指します」と書いてある投資信託などが例に挙がるでしょう。
成績が上回ってくれるのであればとても嬉しいですよね。
しかし、アクティブ運用のほとんどはインデックスに勝てていないというのが世界的な常識になってきています。
投資信託では投資する会社がイイか悪いかを調査する必要があります。
インデックスでは指数に連動すれば良いので維持費(コスト)は比較的低いですが、
アクティブでは会社を調査する人件費などでコストが大きくなりがちです。
アクティブの9割がインデックスに届かない
20年以上の運用では9割以上のアクティブファンドがインデックスに届かないという事実をご存知でしょうか?
S&P ダウ・ジョーンズインデックス社が2023年3月7日に発表したデータ、SPIVAの内容です。
「Percentage of U.S. Equity Funds Underperforming Their Benchmarks」という2022年12月31日時点の10年(10y)と20年(20y)のデータを一部紹介します。
All Large-Cap Funds : S&P500
10Y : 91.41% 20Y : 94.79%
S&P「SPIVA U.S. Scorecard」より引用(データは2022年12月31日時点)
(*1 ここではSPIVAの米国株のデータながら、他の国々の株式や、債券カテゴリーでも長期間では同様の傾向がある。「日本にも当てはまる」と金融庁長官のコメントもあった)
世界的にアクティブ→インデックスの潮流が
こうした事実もあり、世界的にはアクティブ運用からインデックス運用への資金流入が起こっています。
つまり、アクティブ型を解約して、インデックス型に移っているということですね。
この画像はグラフ中央の横線より上は資金が投入、集まっているということを意味しています。
逆に、横線より下は解約や出金などで資金が流出していることを意味しています。
世界的にも「アクティブ型」を解約し、「インデックス型」に乗り換える動きが何年にもわたって続いていることがわかるかと思います。
しかし、銀行や証券会社の窓口ではこのような話はほとんどされないでしょう。
なぜなら、彼らは金融商品を売る側の立ち位置であるため、こうした情報を教えることで自社が取り扱う商品が売れにくくなる可能性があるからです。
場合によってはこのような事実を知らない販売員もいるかもしれません。
もちろん、全てのインデックスが低コストとは限りません。インデックス運用をうたっておきながら実態は低コストといえない投資信託も中にはあるでしょう。
まずは「インデックス運用」で、その中でもより「低コスト」なものを第一基準として選んでほしいと思います。
「実際にどんな銘柄を選んだら良いのかわからない!」という人には本記事下部にある書籍に、具体的な低コスト銘柄が記載されているので、是非お手に取っていただけますと幸いです。
このように、資産運用をする時には知っておくことでトクをする知識が沢山あります。
RIA JAPANではこれから投資を始める人に向けて数多く情報発信をしていますので、
コラムや動画などで知識を蓄えていただき「知ってトクする」を実感してほしいと考えています。
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