投信の手数料打ち切りも 米国投資家に学ぶべきコト
タイタニック号の探索潜水艇が水圧に押しつぶされ「爆縮」、乗員5名が死亡しました。
今回事故を起こした潜水艇「タイタン」は、正規の認証を得ずに実験船だったことが明らかになっています。
潜水艇「タイタン」は認証を受けていないため、設計、建造、テストにおいて監視の目が届いていなかった。つまり、「実験的」と呼ばれるような自己認証だった。
2023/06/22 Yahooニュース(ロイター引用)、海洋技術協会(有人潜水艇分野) ウィル・コーネン委員長
監視の目が届かない「モグリ」で実験船
命をかける深海への探検は高額なツアーでした。
しかし、そのツアーの運営業者は、潜水艇の認証を受けていないモグリの事業者だったのです。
正規の認証を取らない状態で、認証を受けずにあくまで「実験船」として航行していたのです。
その実験船に高額な費用で、乗船者を募集し同行させていたのです。
正規の認証やライセンスを得ていないことを「モグリ」と表現することがあります。
潜水艇自体が「モグリ」だったということです。
「認証」を受けていない事業者を信じた結果、命を失うことになってしまったのです。
資産運用でも「モグリ」の事業者が暗躍中!
実は資産運用の面でも「モグリ」の事業者が多く存在します。
投資の具体的なアドバイスを行うためには「投資助言・代理業」の登録が必要です。
会員制の投資サロン、会員制の投資情報、経営コンサル、年金コンサル、FP、SNSの投げ銭形式利用した投資相談、海外の事業者で日本でのセミナー開催・・・・。
「投資助言・代理業」の登録を受けずに、具体的な銘柄の分析などを行い助言行為をすることは「無登録事業」で金商法の違反です。
メディアに出ているから、メディアで連載しているから、長年SNSで情報発信しているから、元プライベートバンカーだから、投資信託を実際に運用していた経験があるから、元ヘッジファンドに勤務していたから、元ファンドマネージャーだから、投資家で億万長者になった人だから、海外からの情報発信だから、海外のファンドは成績がよさそうだから・・・
イメージから信頼できそうだ、という判断基準は人それぞれです。
しかし、理解していただきたいのは、日本で金融商品等のアドバイスを対価に報酬を得る行為は、「投資助言・代理業」という「登録」を受ける必要があるということです。
FPのライセンスを持っていても、個別の投資のアドバイスを行うには、投資助言「登録」が必要なのです。
そして、登録者は金融商品取引法の広告規制等、厳しいルール遵守が指導されています。
一方、「モグリ」の事業者は投資家保護のルールを守らず根拠のない
「リターン ●%!」「絶対儲かる!」
といった宣伝で集客、金銭を儲けようとしています。
目に付きやすい広告などは、監視の目が届かない「モグリ」事業者によって発信されていることが多いのです。
金融庁の 登録等を受けている業者一覧
金融庁 免許・許可・登録等を受けている業者一覧を検索できます。
https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyo.html
おなじみの銀行や証券なども当然、登録を受けています。
なお、投資助言・代理業を調べるには
「金融商品取引業者等」のデータは「金融商品取引業者」で確認できます。
2023/05/31 時点では兼業者を含めて1000社が登録を受けています。
https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/kinyushohin.pdf
お金を「モグリの実験船」に載せないで
命の次に重要とされることも多い「お金」の相談。
具体的な資産運用であれば、正規の「登録」を受けた事業者に相談する方が、「モグリ」事業者よりも安心なのは言うまでもないでしょう。
あなたの資産運用の相談者は誰でしょうか?
「モグリ」の自称アドバイザーに任せて大丈夫なのか、今一度考えてみてはいかがでしょうか?
あなたのお金を「モグリの実験船」に載せないであげてほしいと思います。