世界的な学術会議で「RIA」安東隆司が語った 国内におけるRIAの役割
クレディ・スイス(CS)のAT1債(CoCo債)が全額損失見込みです。
100で投資したものがゼロ評価になりました。
証券会社の「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」は、スイスの大手金融グループ「クレディ・スイス」が発行し、経営危機に陥ったことで無価値となった「AT1債」と呼ばれる社債、およそ950億円分を国内の富裕層などに販売し、その後クレディ・スイスが経営危機に陥ったことで無価値となったと明らかにしました。
出所:NHK NEWS WEB 2023/04/15 『三菱UFJモルガン証券が販売の「AT1債」約950億円分が無価値に』
日本の大手銀行グループ関連証券会社の顧客が、950億円規模で資産が消失したことになります。
銀行から紹介された証券会社の、プライベートバンカーから勧められたという方々の資産が、950億円無くなったのです。
クレディスイスのAT1債販売はアジア特有か?
このCSのAT1債(CoCo債)消失は、アジア特有であった可能性が指摘されています(筆者も同意見)。
欧米地域のプライベートバンク顧客に対しては、金融機関は個別の証券を強く推奨することはあまりないという。アジア特有だったのかもしれない。
出所:NRI 2023/04/14 『クレディ・スイスAT1債無価値化で崩れた神話の衝撃はなお続く』
経験豊富なプライベートバンカーであれば、単一銘柄への集中投資が危険なことを経験として知っているのでしょう。
分散投資の観点から、リスクを取り過ぎているような商品を集中的に販売することはないでしょう。
販売会社の収益が優先され、顧客のリスクを顧みない、
販売者優先の考え方があったのではないでしょうか?
販売者の説明は十分であったのか?
そうしたアジアの顧客は、クレディ・スイスのAT1債無価値化で、巨額の損失を負ってしまった。安全で高利回りの商品との説明で、リスクについて十分な説明がなかった、と不満を抱えるアジアの顧客も少なくないようだ。その結果、アジアのプライベートバンクの顧客の中には、クレディ・スイスやUBSに対して不信感を強めた者も少なくないだろう。
出所:NRI 2023/04/14 『クレディ・スイスAT1債無価値化で崩れた神話の衝撃はなお続く』
投資した結果、もはや手遅れとなってしまった投資家もいることでしょう。
トルコリラ関連の外貨債券、EB債などの仕組み債、そしてAT1債。
表面上の高いリターンに引き寄せられ、大きな損失を被った投資家。
販売者の説明は十分だったのでしょうか?
プライベートバンカーは運用のプロでは、ない
資産運用の相談は、銀行や証券、FPだと勘違いしていないでしょうか?
ほとんどのプライベートバンカーは、商品の販売者で
商品販売した手数料の一部で潤う人々です。
販売のプロであっても、資産運用のプロでない人々がほとんどなのです。
商品説明の研修セミナーが社内で催されます。
しかし、販売を伸ばすためという目的の研修ですから、リスクの高さについては、お茶を濁したような説明に留まります。
その商品を販売するかどうかは営業担当の判断が大きく左右します。
プライベートバンカーは、収益計上で自身のボーナスや人事評価にプラスとなるため、できるなら販売したいと考えます。
感じの良い若い異性に勧められ、年上として「カッコいい」ところを見せたい、「自身も富裕層顧客として認められたい」などと考え、リスクについて販売者も顧客も良くわかっていないまま、投資して手遅れとなったケースもかなり多くあるのではないでしょうか?
アジア顧客に損失が多いのはなぜか?
アジア顧客にAT1債の損失顧客が多いのはなぜでしょうか?
・手数料が全面開示されていない
・手数料を中心としたビジネスモデルが金融の中心になっている
・アドバイザーと販売者の区別が理解されていない
・投資助言のサービス事業者が少なく、認知が進んでいない
・金融リテラシーが十分でない
このような要因が考えられるのではないでしょうか?
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以下は参考資料です。
S&Pが主催した、ETFの国際会議「ETFコンファレンス」でRIA JAPAN 代表の安東隆司がアドバイザーの重要性について講演をしました。
販売者とアドバイザーの区別、日本の担い手の分類などを解説しています。以下のリンクで資料をご覧いただけます。
フィナンシャル・アドバイザーの重要性
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